国土交通省は、下請けの建設会社や資材会社の資金繰り対策として「下請資金繰り支援事業」の運用を7月1日から始める。公共工事や民間工事で元請けが振り出した手形などをファクタリング(債権買い取り)会社が買い取る際の料率の半分を国が負担するとともに、元請けが倒産した場合には損失の大半を補てんする。結果として、資金繰りの円滑化や連鎖倒産の防止への効果が期待できる。
景気低迷の影響を受けやすい下請け企業が仕事の減少や元請けの倒産などによって資金繰りに苦しんでいる現状を打開することが狙い。11年3月31日までの時限措置として、2009年度補正予算に国費96億円を盛り込んだ。
具体的には、元請けに対する工事請負代金や資材代金の売掛債権(手形の場合は期間が120日以内)を下請けなどがファクタリング会社に譲渡し、そこに国の助成を入れることで、支払期日前に必要な資金がこれまでよりも有利な条件で現金化でき、元請けが倒産した場合でも損失を被らないようにする仕組み。債権買い取りから現金化までの期間は「通常なら数日から一週間程度」(国土交通省総合政策局建設業課)となる見込みだ。
提供:建通新聞社