2009/06/16
公立小中学校の耐震化率は67% 文部科学省が調査
文部科学省が16日に発表した公立学校施設の耐震改修状況調査によると、4月1日現在の公立小中学校施設の耐震化率は67%で、前年度比4・7ポイントの増加にとどまった。大規模な地震で倒壊の危険性が高いIs値(耐震指標)0・3未満の施設は、依然として7300棟以上ある状況だ。文科省では、「耐震化の財源措置が行われていても、調査時点で事業が完了していないものは今回の結果に反映していない。Is値0・3未満の施設については、2度の補正を含む08年度の予算の繰越分と09年度当初・補正予算の財源措置で、すべての耐震化が可能になると」としている。
09年度補正予算では、Is値0・3以上の施設の耐震化についても約6800棟分の予算措置を行った。文科省ではこれらの実施により、公立小中学校の耐震化率は78%程度まで向上すると推計している。
小中学校の耐震診断実施率は前年度比1・9ポイント増の95・7%。現在診断中や、09年度に診断予定の棟数も加えると、さらに1・8ポイント増える。
小中学校以外の調査結果を見ると、耐震化率は、高校が前年度より3・4ポイント増加し67・8%▽特別支援学校が2・3ポイント増の82・8%▽幼稚園が2・3ポイント増の60・1%―。耐震診断実施率は高校が2・6ポイント増の93・1%▽特別支援学校が0・2ポイント増の95・5%▽幼稚園が4・2ポイント増の79・1%―だった。
耐震診断結果を公表している設置者(市区町村)は83%。前年度より30ポイント以上増えた。結果の公表は地震防災対策特別措置法で義務付けられているため、公表していない設置者を今回初めてホームページで公開し、公表を強く求める。
提供:建通新聞社