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2009/06/05

直轄国道18事業の凍結解除を 自民党・道路調査会が国交省・金子大臣に申し入れ

 自民党の道路調査会(会長・山本有二衆議院議員)は5日、国土交通省の点検で費用便益比(B/C)が1以下となった直轄国道18事業の凍結解除を求める決議を採択した。この中では、地域経済の発展など道路の持つ多様な効果を総合的に評価する必要性を指摘。同日、山本会長らが国交省の金子一義大臣に凍結解除を直接申し入れると、金子大臣は「各地方整備局で速やかに事業評価監視委員会を開き、コスト縮減などの取り組みで便益が費用を上回れば、早期に解除したい」と応じた。
 国交省は本年1月から3月にかけて新たな交通需要推計に基づき直轄国道などのB/Cを点検。その結果、B/Cが1以下となった直轄国道18事業を当面執行せず、コスト縮減など事業内容を見直した上で再評価を行い、あらためて事業継続の可否を決めることにしていた。
 決議では、凍結された18事業について「関係地方公共団体の意見を聴きながら、凍結解除が図られるよう、一刻も早く必要な手続きを行う」よう強く要請。凍結解除される事業については、「整備効果の早期発現に向けて、凍結期間の影響が極力小さくなるよう、早期完成を図る」ことを求めた。
 さらに現行のB/Cについて「命の道の価値や地域経済の発展といった重要な要素が反映されていない」点を問題視し、道路の持つ多面的な効果を総合的に評価する必要性を指摘した。
 金子大臣との面談後に会見した山本会長は、凍結解除の可否を決める時期について「6月末から7月上旬には各地方整備局で事業評価監視委員会を開いてもらわなければ、道路調査会として国交省に再度申し入れしなければならなくなる」と述べた。
 凍結中の18事業は次の通り。
 ▽一般国道230号 国縫道路(北海道)▽一般国道232号 天塩バイパス(同)▽一般国道278号 鹿部道路(同)▽一般国道106号 都南川目道路(岩手県)▽一般国道17号 綾戸バイパス(群馬県)▽一般国道17号 浦佐バイパス(新潟県)▽一般国道113号 鷹ノ巣道路(同)▽一般国道148号 小谷道路(長野県)▽一般国道54号 三刀屋拡幅(島根県)▽一般国道185号 安芸津バイパス(広島県)▽一般国道440号 地芳道路(愛媛県、高知県)▽高知東部自動車道 一般国道55号 高知南国道路(高知県)▽一般国道220号 青島〜日南改良(宮崎県)▽一般国道220号 早崎改良(鹿児島県)▽一般国道225号 川辺改良(同)▽一般国道329号 与那原バイパス(沖縄県)▽一般国道329号 南風原バイパス(同)▽一般国道331号 中山改良(同)
提供:建通新聞社