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2009/05/28

国土交通省が“名ばかり支店・営業所”の排除へ 直轄事業で地域建設業の受注機会を確保

 国土交通省は、直轄事業で地域建設業の受注機会を確保するための取り組みを強化する方針を固めた。いわゆる“名ばかり支店・営業所”を排除するため、支店・営業所の資格で工事を落札した場合には、契約時に営業実態を厳格に確認し、その実態に疑いがあれば建設業許可部局に通報する。地元向け工事の地域要件については、生活圏など、より地域性を重視した区域に細分化する考え。2009年度補正予算成立後の工事から適用する方針だ。
 支店・営業所の営業実態を厳格に確認する取り組みは、技術者などを常駐させず営業実態がない“名ばかり支店・営業所”の存在が、結果として地域に密着した建設業の受注機会を奪っているとの指摘を踏まえたもの。支店・営業所の資格で工事を落札した企業には、契約時に常駐技術者名簿や法人税・住民税の支払い実績、水道代・電気代の支払い実績などを提出してもらい、営業実態の有無を判断する。
 また、防災工事や交通安全対策工事といった地元の中小・中堅建設業者を対象とする工事については、十分な競争性の確保に配慮しつつ、より地域性を重視した細分化された区域を地域要件として設定。例えば、都道府県内の生活圏を地域要件の範囲とすることを想定している。
 さらに大規模な工事(WTO案件を除く)での対応として、総合評価方式での評価に当たり、下請企業や資材会社の地域貢献(災害対応などへの積極的な参加)を加算対象とする。配点など詳細は今後検討していく。
 地域建設業の受注機会確保は、経済危機対策の効果を日本全体に波及させる観点から、自民党の「公共工事の品質確保に関する議員連盟」(品確議連)が中心となってまとめた緊急アピールなどの中で、その必要性が指摘されていた。こうした動きを踏まえ国交省が具体的な対応策を28日にあった自民党の日本経済再生戦略会議に示した。
提供 建通新聞社