2008年度の建設工事受注高は前年度と比べ9・4%減の47兆9373億円となり、2000年に調査を開始して以来初の50兆円割れを記録したことが国土交通省の調べで分かった。公共機関からの受注は08年度補正予算などの効果で増加したものの、景気の冷え込みの影響を受けて民間などからの受注が大きく落ち込んだことが響いた。
同省が12日に発表した建設工事受注動態統計調査報告によると、08年度の受注高は前年度比9・4%減の47兆9373億円。このうち元請け受注高は11・7%減の32兆8909億円、下請け受注高は3・9%減の15兆0465億円だった。また業種別では総合工事業が13・6%減の31兆3519億円、職別工事業が6・6%減の4兆5590億円と減少したのに対し、設備工事業は2・6%増の12兆0264億円とプラスになった。
元請け受注の内訳を発注者別に見ると、公共機関が3・7%増の10兆3366億円、民間などが17・3%減の22兆5543億円。工事種類別では土木工事が1・3%増の10兆7788億円、設備工事を含む建築工事が17・1%減の19兆1685億円、機械装置等工事が15・7%減の2兆9435億円だった。
公共機関からの受注工事(1件500万円以上)の発注機関別の内訳は、国が7・9%増の2兆2849億円、独立行政法人や政府関連企業など「国以外の機関」が4・6%増の1兆6945億円、都道府県が0・8%減の2兆5291億円、市区町村が2・2%増の2兆4760億円などとなった。市区町村が前年度比でプラスとなったのは00年の調査開始以来初めて。
民間などからの受注のうち、大型の建築・設備工事(1件5億円以上)の受注額は22・2%減の6兆2825億円。発注者別では、特にマンション建設など不動産業からの受注が18・8%減の2兆1609億円と大きく落ち込んだ。
提供:建通新聞社