国土交通省は、防火シャッター・ドアなど防火設備に特化した定期調査制度の法制化に向けた検討を本格化させている。諮問機関である社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会の定期報告制度等ワーキンググループ(WG)が14日の会合で、防火設備の専門技術者を建築基準法令で位置付けることなど視野に意見を交わした。今後、防火設備の実態などをさらに把握・分析した上で、制度の在り方を探っていく。
防火シャッターなどの防火設備は、建築基準法に基づく特殊建築物などの定期調査報告の一部として調査が義務付けられ、一級・二級建築士のほか、国交大臣が定める要件を満たし、一定の講習を修了した「特殊建築物等調査資格者」が調査を担当することになっている。ただ、防火設備は年々高度化・複雑化が進んでおり、2008年4月からの定期調査報告の充実と相まって、調査業務の負担が増しているのが実態だ。
こうした状況の打開に向けて定期報告制度等WGでは、防火設備を専門的に調査する技術者を建築基準法令上で位置付けることを含め、適切な定期調査の促進策を議論している。
現在、防火シャッター・ドア関連の資格制度としては、日本シヤッター・ドア協会が運用する「防火シャッター・ドア保守点検専門技術者資格認定制度」があり、08年3月現在で6325人が資格を保有している。こうした民間資格との関係性も考慮しながら検討を進めていく。
また適切な防火設備の定期調査には、調査対象となる防火シャッターなどの製品情報の開示が不可欠とみて、その手法についても合わせて検討する。
提供:建通新聞社