国土交通省は、直轄工事での工事成績評定要領を改定した。維持工事や都市部での工事など安全の確保や各種調整が難しい工事を積極的に評価するとともに、評価項目を細分化することで、よりきめ細かい評価を可能とした点が特徴。合わせて維持工事などでの運用基準も明確化した。4月1日以降の中間技術検査・完成検査から適用している。今後、各地方整備局などを通じて地方自治体にも改定内容を周知する方針だ。
改定に当たっては、公共工事品質確保促進法で工事成績評定の実施が法定化され、企業評価の技術評価点や入札参加要件での活用が進むなど、工事成績評定の重要性が増している状況を踏まえ、工事ごとの技術力の差が明確に評価できる仕組みにした。
具体的には、評定段階について、「出来形」と「品質」を5段階から7段階、「社会性等(地域への貢献等)」を3段階から5段階に変更した。評定配分の見直しでは、ばらつきが出やすい「施工管理」「出来形」「品質」「工事特性(高度技術)」などへの配点を増やした。
これまで特異な技術を対象としてきた「高度技術」の評定項目は「工事特性」に名称を変更。工期が長い工事や維持工事、都市部での施工など、安全確保や各種調整が困難であることが想定される工事を対象にした上で、配点の割合を高めた。
また技術提案履行の評定項目を追加し、履行・不履行の2段階で評価することにした。この結果を次回以降の工事発注に活用することも視野に入れている。
維持工事や修繕工事などについては、新設とは異なる評定項目が必要となることも多いため、品質や出来栄えの評定に際して活用できる記載例などを盛り込んだ運用基準をまとめ、各地方整備局などに通知した。
提供:建通新聞社