2020年から24年の5年間の累計で、建設業では熱中症の死傷者949人、死者52人が発生している。屋外作業が大半の建設業は熱中症が重症化しやすく、いずれも全産業で最多だ。死亡者数は全産業の死亡者133人の4割を占める。
平均気温が統計開始以降で最高を更新した24年に限っても、死傷者数は216人と製造業の227人に次いで多く、死亡者数は8人と全産業で最も多かった。今夏も猛暑が予測されており、厚生労働省は6月1日に労働安全衛生規則(安衛則)を改正し、重篤化を防止する熱中症対策を事業者に義務付ける。
国土交通省の直轄工事でも、25年度から熱中症対策のため設備面の費用の積算方法を見直す。従来の共通仮設費への率計上でなく、精算時の設計変更の対象に位置付け、熱中症対策費を別枠で確保できるようにする。
夏場の建設現場で必須の熱中症対策には、どのような対策が有効なのか。
建通新聞電子版で3月11日〜24日に行ったアンケート調査によると、「労働者の体調把握」と「猛暑日の休工」を有効との回答が、それぞれ28・0%と最も多かった。労働者の体調把握については、改正する安衛則で自覚症状がある作業員らの報告体制の構築が義務付けられる見通しで、死傷災害や死亡災害への重篤化を防止する有効な対策と言える。
猛暑日の休工は最も有効な手段だろう。気温40度を超える「酷暑日」となる地点も増えており、気温やWBGT値(暑さ指数)に応じ、発注者が工事の一時中止などの措置を講じて屋外作業を中断することも必要だろう。厚労省も、WBGT基準値から1度程度超過した場合の休憩時間の目安を「1時間当たり15分以上」、3度程度超過で「作業中止が望ましい」としている。
提供:建通新聞社