国土交通省は、直轄土木工事の受発注者や設計者が事業単位で情報を共有する新たなプラットフォーム「プロジェクトCDE(共通データ環境)」の具体化に向け、2025年度にi−Constructionモデル事務所でデータ連携・管理を試行する。個々の工事ではなく、事業ごとに共有すべきデータの選定や、効果的な連携方法を検討する。
i−Conモデル事務所や、適した事業のある事務所を対象に「課題設定型データマネジメントプロジェクト」として試行する。現行では、業務・工事ごとに作成・保管している測量成果や設計図面、協議資料といったデータを、事業単位でまとめて管理・活用できるようにする。試行では既存の情報共有サービスを活用し、プロジェクトCDEを実現するために必要な機能、運用方法などを把握する。
試行で検証すべきテーマとしては、▽プロジェクト単位でのデータ共有の在り方▽ダッシュボード、デジタルマップなどを用いた事業状況の可視化▽品質やコスト、公企といった施工管理に必要なデータのモデル化▽データ保護の在り方―などを挙げた。
工事・業務の受注者が契約したASPなどを用いてデータを共有する現行の仕組みでは、工期・業務期間の終了とともに打ち合わせの経過などの情報が失われる。プロジェクトCDEは事業を通じてデータを管理できるようにし、データの変更・承認履歴も記録する。データを共有する範囲は複数の工事、業務の受発注者や、発注者支援業務の受注者、用地交渉の担当者ら。プロジェクトCDEにより、同事業の隣接する工区とデータを共有したり、維持管理など後工程段階にデータを円滑に受け渡したりできるようにすることで事業の効率性を高める狙いがある。
25年度の試行結果を踏まえ、プロジェクトCDEの仕様や運用ルールを検討する。26年度には運用ルールに基づいてさらに試行を進め、27年度以降に大規模事業から導入していく考えだ。
プロジェクトCDEのシステム検討と並行して、運用に当たる人材の確保・育成も必要になる。データを用いた事業マネジメントの中核となる人材像の検討、人材育成プログラムの開発を26年度にかけて進める。
提供:建通新聞社