国土交通省は、プレキャスト製品の活用を促進するため、内空断面積35平方b未満の大型ボックスカルバートについて、規格の標準化を検討する。2025年度以降、関係団体との意見交換を通じて規格化によるコスト低減を目指す。35平方b以上の製品については、省人化や環境負荷低減といった、コスト以外の総合的な価値に基づく評価(VFM)の導入を検討する。
国交省では、建設現場の生産性を向上させるi−Constructionの一環で、プレキャスト活用によるコンクリート工の生産性向上に取り組んできた。一般に現場打ちの方が経済性が優位とされるが、コスト以外を含めて評価するVFMで製品・工法の導入可否を判断するため、23年度に評価基準を整備した試行要領案を策定した。
24年度は、要領案に基づき92件の設計業務を対象にVFMを試算。プレキャストのコストが現場打ちの2倍に収まる範囲ではVFMの点数が総じて高く、優位に評価されることが分かった。
ボックスカルバートでは、内空断面積35平方b未満でプレキャストのコストが現場打ちの2倍にほぼ納まり、一定の価値を担保できることも分かった。このため、35平方b未満については規格の標準化を検討し、積極導入を促すことにした。
標準化の検討では、プレキャスト関係団体と地方整備局、日本建設業連合会、建設コンサルタンツ協会と意見交換する。
35平方b以上の大型製品については、金額のばらつきが大きくなるため、VFMによる現場打ちと比較する。24年度に地方整備局がVFMを用いて行った工法比較を分析したところ、省人化効果については総人工数、働き方改革への寄与度では施工日数、環境負荷低減ではCO2排出量などを指標にしていたことが分かった。
試行結果を踏まえ、VFMによるプレキャスト・現場打ちの比較時の評価項目の変更案を作成。コスト比較では概算工事費だけでなく、製品のライフサイクル全体のコストも評価指標にする。技術者・技能者不足の地域での人工数低減効果なども評価し、より精緻なVFMを25年度以降、試行していく。受発注者向けのフォローアップ調査も実施する。
また、プレキャスト製品の品質管理の簡素化を見据え、民間の審査制度の活用も検討する。
一連の検討結果に基づき、25年度には大型ボックスカルバートにおけるVFMの実施要領案を策定する。
提供:建通新聞社