国土交通省は、建設機械施工の自動化に関する安全ルールを改定し、建機を供給するメーカー側が講じるべきリスクアセスメント項目を新設する。地域建設業も取り扱えるよう、汎用性の高い自動建機の普及を見据え、ユーザーにリスクを適切に伝えるよう促す。2025年度から新たなルールに基づき試行工事を実施し、施工管理に関する技術基準をはじめとした基準類の整備に生かす。3月11日に開いた建設機械施工の自動化・自律化協議会で打ち出した。
安全ルールは、自動施工の安全確保のために関係者が順守すべき項目を定めるもの。現場を無人エリアと、立ち入り制限エリア、有人エリアに区分することや、非常時の停止システムの整備、自動施工の監視体制の構築などを規定している。24年に「バージョン1」を策定し、直轄工事で試行した。
協議会では、直轄の4現場での試行状況を報告した。鹿島・前田・竹中土木JVが受注した成瀬ダム堤体打設工事では、複数台の自動ブルドーザ、自動振動ローラで敷き均し、締固めを自動化。現場から400`離れた場所で3人のITパイロットが3機種14台の自動化建機を昼夜連続でモニタリングするなど、現場の省人化を実現した。
同じく成瀬ダムの原石山採取工事(第2期)では、大成・佐藤・岩田地崎JVが、積み込み場から排土場まで、約400bにわたる骨材原石の運搬作業と、投入口への排土を自動化した。
安藤ハザマが受注した霞ケ浦導水石岡トンネル新設工事では、コベルコ建機が開発したバックホウにより、シールドトンネルの掘削土砂を自動で積み込んだ。
大手ゼネコンだけでなく、地域建設業も自動化施工を試行している。渡辺建設(群馬県嬬恋村)は地蔵川第一砂防堰堤工事で、キャリアダンプによる堰堤材の運搬を自動化した。大林組と日立建機日本の技術を活用し、運搬ルートを指定した。
試行現場にアンケートを行い、安全ルールを実現場に適用する際の課題について調査。いずれも施工者側を対象としたリスクアセスメントに基づいて施工計画段階で建機の接触防止対策を行うなど、リスクの特定と評価、対策の決定を行った。
試行のうち3件は大手ゼネコンによるもので、建機メーカーと協力して高度に自動化した建機を導入した。国交省は地域建設業も取り組めるよう、自動化施工の裾野を拡げる。このため建機のメーカーやレンタル、販売会社など供給側の事業者に対し、活用方法に関するリスクを適切に施工業者に伝えるよう安全ルールを改定する。
25年度は新たな安全ルールに基づき、土工以外の工種でも試行を予定。施工管理など工事に関する技術基準類を整備する。
提供:建通新聞社