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2025/02/25

道路陥没で有識者が初会合 インフラ再構築の制度検討

 国土交通省は2月21日、埼玉県八潮市で発生した下水道管路の破損に伴う道路陥没事故を受けて、下水道の老朽化対策を議論する初の有識者会議を開いた=写真。八潮市で破損したものと同様の大型管路は、全国で約419`にわたって整備されている。今後の老朽管路の急増に備え、今春までに点検手法見直しについての方針をまとめる。施設の維持更新、再構築を推進する制度の在り方も検討する。
 1月28日に八潮市で発生した事故では、陥没に巻き込まれたトラックドライバーが行方不明になり、周辺の人口120万人が下水道の使用を自粛するなど、大きな影響が出た。中野洋昌国交相は初会合で「今回の事故を教訓に管路メンテナンスを再建し、このような事故を二度と起こしてはならないという強い決意で対策を講じる」と述べた。会議での議論について「インフラ全体のメンテナンスの在り方にもつながる」との認識も示した。
 委員長に就いた政策研究大学院大学の家田仁教授は、事故の影響の大きさを受け「激甚災害に相当する重大な事態だ」と発言。点検手法の見直しなどの緊急的な対応に加え、「インフラマネジメントの在り方の転換」を議論する必要があるとした。施設の維持更新や再構築、リダンダンシーの確保策について制度的な対応も視野に検討する。
 陥没事故は、県道の地下10bにある流域下水道の破損でできた空洞が原因とみられる。家田教授は、下水利用を止めるハードルの高さや、人の目による点検が困難な点、周辺地盤の状況把握が必要なことなど、大口径の下水道管路を巡る事故対応の難しさを指摘した。
 下水道法では、腐食の恐れが大きい管路について5年に1回の点検実施を規定。会議では、陥没事故を未然に防ぐ観点から、重点的に点検すべき対象や頻度、点検技術を検討する。道路など他のインフラ管理者とのリスク共有も論点とした。

■耐用年数超過、20年後に全体の4割に

 国交省によると、同様の大規模な管路は全国に延長約420`存在する。陥没事故を受け、国交省が緊急点検を全国の自治体に要請したところ、埼玉県内の3カ所で管路の腐食などの異状を発見。対策を準備中だという。
 50年の耐用年数を超えた老朽管路は、22年度末の約3万`が、20年後には約20万`にまで急増する。全体の4割を占めることになり、対策は急務だ。
 現行では、下水道ストックマネジメント支援事業により、下水道を管理する地方自治体の効率的な老朽化対策を後押ししている。6月にも決定する国土強靱(きょうじん)化実施中期計画にも、陥没事故を踏まえたインフラ老朽化対策が盛り込まれる見通しだ。

提供:建通新聞社