国土交通省は、直轄港湾工事で2025年度に運用するICT活用工事の実施方針をまとめた。ICT基礎工(捨石均し)でマルチビーム測量、ICTブロック据え付け工でUAV測量を新たに試行。ICT浚渫工などの起工測量には、測量業務の内業の負担を軽減できる「マルチビームデータクラウド処理システム」(MBC)を試行する。
ICT基礎工(捨石均し)では、起工測量や出来形測量にマルチビームを活用できるよう、実施要領やマニュアルを整える。ICTブロック据付工では、消波工の出来形管理、維持管理、災害対応を効率化するため、UAVを活用して完成形状を把握できるようにする。
港湾部局が発注する陸上工事でもICT活用が進むよう、新たに「ICT活用工事(土木)」の実施要領を策定し、25年度から適用を開始する。ICT浚渫工とICT海上地盤改良工事は、25年度から発注者指定型を原則とするため、工事成績評定での加点を廃止する。
24年度にスタートした作業船の自動・自律化のための実証実験の成果を踏まえ、施工管理マニュアルや安全管理ガイドラインを策定する。
MBCは、マルチビームソナーで測量した海底の地形データをクラウドサーバーに送信し、クラウド上でノイズ処理することで、解析の省力化・高速化する。起工測量の解析時間短縮や作業員・作業船の拘束時間の低減、測量業務の内業の負担軽減につながるという。全てのICT浚渫工、ICT基礎工、ICT海上地盤改良工の起工測量で25年度から試行する。
この他、3月までに直轄土木工事・業務の「BIM/CIM取扱要領」がまとまることを踏まえ、港湾分野でも要領を整理し、土木分野とルールを統一する。
提供:建通新聞社