トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2025/02/21

女性が働きやすい現場 地方・民間工事に遅れ

 国土交通省が、快適トイレや更衣室といった女性の働きやすい現場環境の整備状況を調べたところ、東京・大阪・名古屋の3大都市圏と比べてその他の地方で遅れがみられることが分かった。直轄工事と比べて市町村や民間の工事で進んでいない現状も改めて浮き彫りになった。
 アンケートは、建設分野の女性活躍・定着に向けた新たな計画の作成のため2024年9月〜10月に実施した。日本建設業連合会と全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、住宅生産団体連合会の協力もあり、1609件の回答を得た。
 女性が働きやすい現場環境の整備状況に関する質問をみると、快適トイレについて、国と都道府県の発注工事では3大都市圏の現場か否かを問わず、「おおむね整備されている」との回答が6割以上を占めた。一方、市町村発注工事では、3大都市圏では「おおむね整備されている」との回答が6割を超えたものの、その他の地域では45%となった。
 民間工事では、3大都市圏で「おおむね整備されている」が51%だった一方、その他地域では29%にとどまった。
 同様に、男女別だったり、男女交替で利用が可能な更衣室の整備状況について聞くと、国、都道府県の発注工事は3大都市圏では「おおむね整備されている」が50%前後だったのに対し、その他地域は30%前後と差がみられた。市町村発注工事は3大都市圏が44%、その他地域が23%で、より低い水準だった。
 民間工事は、3大都市圏で「おおむね整備されている」が42%、その他地域が18%で、市町村よりもさらに低い水準となった。民間工事のその他地域では「全く整備されていない」が45%と最も大きな割合を占めた。
 快適トイレや更衣室など、女性が働きやすいハード設備の導入が進まない背景についても調査した。理由として最も多かった回答は「現場に女性がいない」で、3大都市圏で30%、その他地域で43%を占めた。3大都市圏では、「工事現場・事務所が狭あいで快適トイレが設置できない」が19%を占め、2番目に多い回答となった。
 その他地域では、「予算が限定的で設置する余裕がない」が21%、「現場に必要性が浸透していない」が17%と続いた。
 国交省の直轄工事では、快適トイレの導入に必要な経費を計上する措置が浸透につながった。女性が働きやすい環境整備が、実際に働く女性の増加を呼び込む好循環を実現するため、国交省は快適トイレの事例集作成などを通じ、粘り強く設備導入を促していく。

提供:建通新聞社