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中央ニュース

2025/02/19

直轄工事でWLB推進企業への加点を原則化

 国土交通省は4月以降、ワーク・ライフ・バランス(WLB)推進に取り組む企業を対象とした総合評価での加点措置を全案件で原則適用する。総合評価落札方式と、企画競争方式(プロポーザル方式を含む)を適用する全ての工事、建設コンサルタント業務で実施する。女性活躍推進法に基づく「えるぼし」などの認定を要件とする。各地方整備局が評価基準を見直すタイミングで導入する。
 国交省の発注案件ではこれまで、一般土木・建築のA・B等級に限り、総合評価で1点を加点していた。4月以降は、一般土木・建築C・D等級や、その他の工種、建設コンサルタント業務についても加点措置を設ける。
 極端な差がつかないよう、今回から加点する等級・工種の配点は0・5点とする。一般土木・建築のA・B等級については引き続き1点を加点する。ただし、地方整備局ごとに地域の実情を踏まえて加点幅などを見直すことができる。
 加点対象となるのは、▽女性活躍推進法に基づくえるぼし、プラチナえるぼし▽次世代法に基づくトライくるみん、くるみん、プラチナくるみん▽若者雇用促進法に基づくユースエール―のいずれかの認定を受けた企業。企業や技術者の実績、成績に加えて、企業の能力評価の項目で加点する。
 一般土木A・B等級では、100人未満の企業に限り、法に基づく一般事業主行動計画を策定していても加点対象としていた。新たに加点対象として追加する工種・等級については認定のみを要件とし、一般事業主行動計画の策定では加点しない。
 加点措置の対象拡大に関する通知を2月3日付けで地方整備局に発出した。建設業団体を通じて周知し、4月以降に各地方整備局が総合評価の実施方針を見直すタイミングで実際の工事発注に反映する。
 一般土木A等級のみを対象としていた21年度の状況を見ると、国交省の全発注案件に占める加点措置の適用割合(金額ベース)は10・1%。農林水産省(99・0%)や防衛省(95・3%)のように工事発注の多い機関と比べても取り組みの遅れが指摘されていた。今回の加点拡大により、適用割合はほぼ100%となる見込みだ。
 一方、実際にWLB推進企業の認定を受けている企業は限られる。政府のデータベースによると、WLB推進企業としていずれかの認定を受けている建設業は489社。企業規模100人以下に限ると245社にとどまる。女性の雇用割合や育児休業の取得率に関する基準を満たす必要があり、地域の中小建設業からは対応の難しさを指摘する意見も出ていた。

提供:建通新聞社