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中央ニュース

2025/02/13

老朽インフラの再構築 自治体の取組みを可視化

 国土交通省は、老朽インフラのメンテナンスや、人口減少に対応した集約化・再構築を後押しするため、全国の地方自治体の取り組み状況を可視化する。新たな社会資本整備重点計画を検討する2月12日の有識者会議で、計画に盛り込む政策パッケージとして提示した。取り組みが特に遅れていることが明らかになった自治体に対しては、個別対話やヒアリングを通じて対策を講じるよう働き掛ける。
 2026年度以降を対象とした次期社会資本整備重点計画の検討に当たり、国交省は「新たなインフラマネジメント方針」を盛り込む。政策パッケージでは、地域の将来像に沿ったインフラの再構築を進めるとの方向性を示した。人口減少の進行に応じて、優先度に基づくインフラの集約再編や修繕更新、撤去といった対策をまちづくりと一体で行うよう促す。
 自治体の取り組み状況の評価では、インフラ再構築とまちづくり計画との連携や、修繕・更新率、集約再編件数などのデータを収集・分析して可視化する。関連する手引きや基準類の充実、先導的な取り組みの支援と合わせ、自治体の継続的な対策を後押しする。複数の自治体が一体で維持管理を行ったり、分野の異なるインフラの管理をまとめて発注したりする「地域インフラ群再生戦略マネジメント」の活用も促進する。
 持続可能で質の高いインフラ整備を担保できるよう、近年の資材価格や労務費の動向も考慮し、「安定的・持続的な公共投資を推進」することも明記する。将来的な公共投資の見通しを立てることで、企業の人材育成を後押しする狙いもある。
 この他、経済成長に資するインフラ整備も計画の柱となる。政策パッケージでは、半導体工場をはじめとする国家戦略的なプロジェクトの立地に合わせ、周辺インフラを重点的・戦略的に整備するとした。リニア中央新幹線、自動物流道路などインフラ分野の新技術導入も推進する。
 防災・減災、国土強靱(きょうじん)化につながるインフラ整備では、複合災害や半島部での災害など、近年の被災経験を踏まえた対策とする。地域建設業との連携強化、人工知能・ロボットなど新技術活用も盛り込む。
 インフラ分野で脱炭素化を先導することも明記。電気自動車の充電設備のようなインフラ導入や、施工段階でのCO2排出量削減、建設リサイクルの高度化にも取り組む。
 新たな計画では、インフラ整備を担う建設業、管理を担う自治体職員の確保も重点目標に位置付ける。官民連携や自治体間連携を促すための入札契約制度の見直し、地域の事業者間の連携体制強化、新技術の活用促進といった政策を想定。建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した技能者の処遇確保、週休2日制工事の導入促進、建設機械施工の自動化を見据えたKPIの設定も検討する。

提供:建通新聞社