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2025/02/06

労務単価「一層の引上げを」 品確議連が大臣要望

 自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連、梶山弘志会長)は2月5日、中野洋昌国土交通相に建設産業の担い手の処遇改善と円滑な施工確保に向けた要望書を提出した。公共工事設計労務単価・技術者単価のさらなる引き上げとともに、単価に基づく労務費を賃金として技能者に着実に行き渡らせる取り組みの推進を求めた。労務費調査でこうした実態を把握し、今後の設計労務単価の引き上げにつなげる「好循環の継続」を目指す。
 労務単価を巡っては、石破茂首相が2月4日の閣僚懇談会で中野洋昌首相に引き上げを指示していた。梶山会長は、要望後の会見で中野国交相が首相指示に触れたことを明かし、対応に期待を示した。
 労務単価はこれまで12年連続で引き上げられており、梶山会長は「13年連続で引き上げられるかどうか」が建設業の担い手確保に向けて重要な課題になると強調。時間外労働の罰則付き上限規制が適用されたことを受け、週休2日を徹底する上でも限られた労働時間で適切な賃金が得られるよう、「さらに率の高い引き上げが必要になる」とした。国・都道府県だけでなく、市町村などの地方自治体にも「しっかり波及するようにしたい」と述べた。
 国土強靱(きょうじん)化の着実な推進も要望事項に位置付け、5か年加速化対策後の「国土強靱化中期実施計画」を早急に策定するよう求めた。梶山会長は埼玉県八潮市で老朽化した下水道管路の破損により発生したと見られる道路陥没事故を例に、「国土強靱化はどの地域でも必要だ」と指摘。老朽インフラが全国的に増加しているとし、対策の必要性を中野国交相に訴えた。
 担い手確保の取り組みとして、地方を含めた必要・十分な規模の公共事業の安定的な確保と、建設業の働き方改革の推進も要望した。第3次担い手3法に盛り込まれた施策の推進、現場実態に合ったICT活用、建設キャリアアップシステムの普及・促進が必要だとした。
 公共工事の円滑な施工確保に向け、資材価格高騰を反映した適正な予定価格の設定、スライド条項の適切な設定・運用、ダンピング対策の徹底などを要請。特に、発注関係事務の適切な実施が困難な市町村に対し、支援や協力な働き掛け、改善を求めた。
 国交省など国の機関が総合評価落札方式による発注で適用している、企業の賃上げに対する加点措置については、引き続き実績確認の柔軟な運用を要望した。
 要望書とともに、品確議連に寄せられた建設業関係の14団体からの要望も中野国交相に参考として手渡した。

提供:建通新聞社