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2025/01/29

人口減少への対応を議論 2050年見据えた住宅政策

 国土交通省は1月28日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会を開き、2050年を見据えた住宅政策の方向性について議論した。委員からは主要な論点として人口減少への対応を重視する意見が多く寄せられ、居住の集約化や既存住宅の性能向上、空き家対応を求める声が寄せられた。議論は国の住宅政策の指針となる住生活基本計画に反映し、25年度末に閣議決定する。
 分科会では、50年を見据えた長期的な課題への対応について話し合った。SUUMOリサーチセンターの池本洋一センター長は、人口減少に対応した居住誘導の推進を提案。建替促進策を講じる駅前・幹線道路沿いと、居住地域として残す地域、農地・里山に戻す地域、観光促進地域へと地域の方向性を区分するイメージを示した。
 また、池本氏は新築の減少とともに既築改修による住み替え需要が拡大するとの将来像を提示。住宅の性能を向上させるリフォームを適切に評価できる市場の形成に向けた制度整備が必要とした。
 東京大学の大月敏雄東京大学大学院教授は、住生活分野の課題に対し、公的住宅や民間賃貸住宅、戸建て空き家など地域の住宅ストックを総動員して対応できる体制の整備を求めた。災害リスクの高い地域については、保険制度と連携した居住誘導や、仮設用地の事前選定も検討事項に挙げた。
 日本大学経済学部の中川雅之教授は、広域的な居住の集約化を進める上で、市町村が主体となる現行の立地適正化計画の枠組みでは不十分だとし、住宅市場を通じた都市構造の再編が必要だとした。

提供:建通新聞社