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中央ニュース

2025/01/21

今後の安全衛生対策について建議

 厚生労働省の労働政策審議会(清家篤会長)は、今後の労働安全衛生対策の強化を求める建議をまとめた。労働者と同じ場所で就業する一人親方ら個人事業者の安全衛生対策や、職場のメンタルヘルス対策の強化を求めており、厚労省は建議を踏まえた労働安全衛生法の改正案をまとめ、同審議会に諮問する。
 建議では、個人事業者や中小事業主、役員ら、同じ場所で就業する全ての作業者を安衛法の保護対象や義務の主体に位置付けることが適当とした。
 事業者に対しては、危険・有害な業務に就く個人事業者に特別教育を修了させることを義務付けるべきとした。
 個人事業者らに対しては、危険箇所への立ち入り禁止など、事業者が労災防止のために講じる必要事項の順守を罰則付きで義務付けるよう求めた。労災報告も義務付けることが適当とした。
 混在作業時の元方事業者には、作業間の連絡調整の対象に個人事業者らを加え、荷の搬入・搬出作業、機械・設備のメンテナンス作業などでも業種関係なく連絡調整するよう義務付ける。
 また、一人親方を含む全ての労働者に建設機械の使用に関する安衛対策が必要とし、労災件数が多い「フォークリフト」などを機械リースの規制対象に追加するのが適当とした。規制対象になると、機械を貸し出す際に点検・整備や定期自主検査などが必要となる。
 職場のメンタルヘルス対策では、50人未満の事業場でもストレスチェックを義務化すべきとし、実施体制・実施方法についてのマニュアル整備を求めた。
 化学物質による健康障害防止対策では、2026年に自立的管理の対象物質が約2900物質にまで拡大することを受け、化学物質の譲渡・提供時の危険性・有害性情報の通知を義務付ける。
 高年齢労働者の労災防止に向け、特性に配慮した作業環境の改善、適切な作業の管理を事業者の努力義務とする。
 一般健康診断についても触れた。一般健康診断問診票に、月経や更年期障害など女性特有の健康課題に関する質問を追加し、専門医への早期受診を促すことが適当としている。
 この他、高年齢労働者の増加や医療技術の進歩などに伴い、疾患を抱えて通院しながら働く労働者が22年時点で全体の40・6%に上っていると指摘。事業者の努力義務として、治療と仕事との両立を支援するための措置を講じるべきと訴えた。

提供:建通新聞社