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2025/01/20

若者の入職促進活動 小中学生の関心が課題

 若年層の入職促進に向けて、全国の建設業団体が2024年度に実施した現場見学会や職場体験を集計したところ、高校生を対象とした活動が最も多かったことが分かった。建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協)が構成団体の活動をまとめ、1月16日に開かれた「若年者入職促進タスクフォース」で説明した。高校入学前の関心が職業選択に影響するとの報告もあり、小中学生へのさらなる働き掛けが今後のテーマとなりそうだ。
 タスクフォースは、全国の建設関係訓練校や工業高校、建設業団体、関係省庁で構成する。若者の建設業界への入職促進に向けて、関係機関・団体の取り組み状況を報告した。
 人材協は、都道府県建設業協会と建設産業団体約60団体による24年度の実施結果(予定含む)を説明した。活動の対象は「高校生」が最も多く、現場見学会やインターンシップ、合同企業説明会などの活動内容を合計すると延べ256団体が取り組んでいた。「大学・専門学校」の129団体や「中学生」の93団体、「小学生」の106団体と比べても多く、進路選択を控えた高校生に特に重点的に働き掛けていることが分かった。
 一方、人材協が23年度に建設系学科の高校3年生を対象に行ったアンケート調査では、入学時の進路志望が卒業後に大きく影響することが分かったという。事務局の建設業振興基金は「高校入学前に建設産業界への進路意識を持ってもらうことが重要」だとし、高校生への働き掛けに加えて、小学生・中学生向けの活動のさらなる強化が求められるとした。
 タスクフォースの16日の会合では、国土交通省が建設業団体による入職促進の活動状況を全国の学校に周知するよう、文部科学省に依頼したことを報告。現場見学会やインターンシップへの積極的な参加を呼び掛けるよう促した。今後も文科省を通じて継続的に建設業団体の活動を周知する。
 人口減少が特に深刻な地方部では、工業高校が定員割れを起こすなど、人材育成の持続性が揺らぐような事態が起きているとの報告もあった。群馬県沼田市にある職業訓練校の利根沼田テクノアカデミーは、24年に葛西工科高校(東京都)と豊田高等専門学校(愛知県)の生徒を招き、レクリエーションを織り交ぜながら作業見学・体験を行ったことを紹介。都心と地方の「2拠点教育」と銘打ち、地方の魅力を体感しながら建設業への関心を深める活動を継続して実施していく考えだ。
 建設業振興基金は、入職促進関係の情報を集約したポータルサイト「建設現場へGO!」を25年度にリニューアルし、アクセス拡大を目指すとした。

提供:建通新聞社