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中央ニュース

2025/01/17

建設発生土の搬出先確認 制度徹底へ実態調査

 国土交通省は、建設発生土の最終搬出先確認を元請けの義務とする制度を徹底させるため、2025年度にフォローアップ調査を行う。元請けに代わって最終搬出先を確認するストックヤード事業者を国が登録する制度と一体で、制度の浸透状況を把握。搬出先確認を容易にするような好事例を収集し、水平展開する。
 建設発生土の搬出先確認制度は、静岡県熱海市で発生した土石流災害を受けて、不法・危険な盛土の発生を抑制するため24年6月に施行された。建設発生土の適正な取り扱いと、搬出先の確認を担保する仕組みとなっている。違反すると国交大臣が指導・助言、勧告・公表、命令を行う。命令違反には罰金も科される。
 一定の要件を満たし、国の登録を受けたストックヤードに土砂を搬出した場合は、最終搬出先の確認は不要となる。登録ストックヤードは24年12月時点で1395カ所、ストックヤードの登録運営事業者は921者。制度開始時にあった、ストックヤード登録数がゼロの県も解消された。登録ストックヤードは国交省の各地方整備局のホームページで確認できる。
 国や地方自治体が管理する場所に搬出する場合や、他の建設現場で土砂を利用する場合についても最終搬出先の確認は不要となる。
 制度の浸透に向け、国交省はこれまでも建設業団体を通じて元請け業者に周知したり、ストックヤード事業者に対して登録のを働き掛けたりしてきた。ただ、建設業団体に所属していない建設業者への浸透の程度は未知数だ。
 制度の施行から1年がたつのに合わせ、改めて制度の浸透状況を調べることを検討。幅広く制度を認知してもらうための方策を考えるのに生かす。
 ストックヤード事業者にも土砂の仮置き・搬出のみを行う業態や、改質して利用する業態など、幅広い事業形態があるため、こうした実態を踏まえて制度の周知、登録を促していく。
 ICTツールを活用して搬出先のデータ管理を容易にするなど、搬出先確認を効率化する好事例についても調べ、周知する。水平展開に向けてリーフレットの作成や、自治体への周知を検討する。
 建設発生土の搬出先が、特定盛土規制区域内にある場合は、盛土規制法に基づく許可の有無の確認も必要になる。自治体による規制区域の設定状況も踏まえながら、制度のさらなる浸透を促す。

提供:建通新聞社