国土交通省は、地方自治体の遊休資産を活用する小規模なPFI事業「スモールコンセッション」を普及させるため、支援体制を強化する。新たにスモールコンセッション形成推進事業を新設し、事業構想の策定を支援する。2025年度当初予算案に関係する経費を盛り込んだ。
スモールコンセッションは、事業規模がおおむね10億円未満の従来のPFIと比べて小規模な官民連携事業。人口減少に伴い、特に地方で増加している廃校などの空き施設を民間の知見を生かして改修・活用する。国交省は、地域の事業者に積極的な参画を促している。
スモールコンセッション形成推進事業では、地方自治体による案件形成を促進するため、既存の建物の現況調査や市場調査といった初期段階の調査と事業構想の策定を支援。スモールコンセッションに関する知見が豊富な専門家を派遣する。
さらに、スモールコンセッションを含めた官民連携事業を対象に、民間提案型官民連携モデリング事業を24年度に引き続き実施。自治体のニーズに合致した優良な提案を行った民間事業者が、調査検討を行う。
より熟度の高い案件については、先導的官民連携支援事業を適用し、施設の種類や事業規模、事業類型、事業方式に応じた導入可能性の検討に要する費用を支援する。
一連の支援施策を通じて、事業の構想から民間提案、導入可能性調査までの各段階で具体化を後押しする。
スモールコンセッションの機運醸成に向け、国交省は24年12月にプラットフォームを設立した。同年12月25日までに、事業者や大学、自治体、金融機関など780会員が参加している。プラットフォームで会員間の情報交換や官民のマッチングを加速させ、事業の具体化を促す。これまで官民連携に取り組んだことのない小規模自治体にも普及させる。
提供:建通新聞社