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2025/01/08

月45時間超が3割 技術者の業務に偏りも

 建設業技術者センター(CE財団、佐藤直良理事長)は、地域建設業の時間外労働に関する2024年度調査の結果をまとめた。調査結果によると、時間外労働が上限規制の一つである月45時間を超えたことがある技術者がいた企業は33・7%に上った。CE財団は、特定の技術者に業務が偏る実態もあると見ている。長時間労働の理由として、天候によって施工日数が少なかったとの回答が前年度の調査より上昇した。
 調査は、全国建設業協会傘下の都道府県協会4団体と全国中小建設業協会の会員企業を対象に実施した。回答企業は都道府県協会が386社、全中建が504社。
 時間外労働が月45時間を超えたことがある技術者がいた企業は、都道府県協会で33・7%、全中建で45・4%だった。一方、時間外労働が年360時間を超えた技術者がいた企業も、都道府県協会が19・2%、全中建が22・6%だった。
 一方、一般則の上限を超えられる特別条項付きの三六協定を結んだ場合の上限である「月100時間以上(休日労働含む)」の技術者がいた企業は、都道府県協会が6・5%、全中建が8・7%となり、全体の1割に満たない。特別条項付きの年間の時間外労働のの上限である「年720時間」を超えた技術者も都道府県協会3・1%、全中建4・4%だった。
 長時間労働の技術者がいると回答した企業に対し、原因となった工事を発注者別・工種別に聞いたところ、「都道府県・政令市の土木工事」と回答した企業が都道府県協会(46・3%)、全中建(49・8%)のいずれも最も多かった。
 長時間労働の理由としては、「現場作業後の書類作成・整理」と回答した企業が都道府県協会52・2%、全中建61・5%と最多となり、「当初から工期がタイトだった」が都道府県協会44・8%、全中建42・4%で続いた。「天候によって現場で施工できる日数が少なくなった」と回答した都道府県協会の会員企業は、23年度に21・3%だったが、24年度は31・3%と10・0ポイント上昇し、昨夏の記録的な猛暑の影響が出たと見られる。
 CE財団は、ヒアリングも行って調査結果を検証。長時間労働の要因について、工事発注時の設計図書の不備、条件明示の不備、大量の工事関係書類の作成、発注者による作成書類の過度の作り込み、などがあると分析している。

提供:建通新聞社