トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2024/12/25

工事件数、10年で最少 金額の推移とかい離も

 国土交通省がまとめた「直轄工事等契約関係資料」によると、2023年度に国交省が契約した直轄工事の件数は1万2424件となり、前年度比0・2%減とほぼ横ばいながら、過去10年間で最少となった。一方、契約した工事金額の合計は1兆9363億円で5・0%減となり、3年連続で減少。過去10年の傾向を見ると、金額の減少と比べて件数の減少幅が大きかった。
 14年度と23年度を比べると、契約金額は5・0%減だったのに対し、件数は12・9%減。直近の金額・件数ともにピークである20年度からの推移では、金額と比べて件数の減少幅が大きな局面も目立つ。要因としては、1件当たりの工事金額の大型化や、近年の資機材価格の高騰が影響した可能性もある。
 このうち、港湾空港関係を除く地方整備局の契約金額は1兆3494億円で0・7%増えたのに対し、件数は6418件で0・5%減だった。工事1件当たりの金額は2億1025万円で、2年連続で上昇。コロナ禍前の19年度と比べると15・6%の大幅アップとなっている。
 この他の部局について23年度の契約状況を見ると、地方整備局の港湾空港関係は金額が2709億円で21・9%減。件数は572件で11・7%減となった。22年度に防衛省からの支出委任を受けて契約した鹿児島県馬毛島の施設整備工事などの反動減により、金額・件数ともに大きく落ち込んだ。
 北海道開発局は金額が11・0%減の2622億円で、件数は0・9%増の1411件。航空局、地方航空局は金額が12・1%減の369億円、件数が5・5%増の649件だった。
 年内の閣議決定を見込む2025年度当初予算案を巡っては、日本建設業連合会や全国建設業協会、全国中小建設業協会といった建設業団体が政府・与党に公共事業費の増額を要望している。資材価格や労務費が高騰する中、予算が横ばいでは実質的な事業量が目減りするためだ。
 能登半島地震の教訓を踏まえた国土強靱(きょうじん)化対策が急がれる中、物価上昇を踏まえた予算確保を求める声が強まっている。

提供:建通新聞社