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2024/12/23

マンション建替法見直しへ 自治体関与を強化

 国土交通省の社会資本整備審議会マンション政策小委員会は、マンション建て替えの促進に向け、事業手法を拡充するよう求める意見をまとめた。管理不全の老朽マンション再生へ、地方自治体の関与も強化すべきとした。法務省の区分所有法改正の動きと合わせ、マンション建替法の見直しが必要だとした。
 国内に約704万戸あるマンションストックのうち、既に約2割が築40年以上となっている。居住者の高齢化も進行し、建物が老朽化していても建て替えや除却が進まない課題が顕在化していた。
 そこで国交省はマンション小委を設置し、▽マンション管理の適正化▽マンション再生のニーズに応じた事業手法の拡充▽自治体によるマンション管理・再生への関与の強化―を議論。12月20日の会合に制度改正の方向性を報告した。
 マンション再生に関する議論では、隣接地を取り込む建て替え手法の導入にあたって区分所有権の権利変換を可能とするなど、関係権利者との合意形成を促進する措置を講ずべきだとした。
 マンション建替型総合設計制度で容積率を緩和しても、高さ制限への抵触により建て替えが困難になっている例も指摘。制限の特例措置を設けるよう求めた。
 既存マンションの敷地とは別の用地での移転建て替えについて、マンション敷地売却事業を活用できるような方策を検討する。
 区分所有法の見直しでは、所在が不明な区分所有者を建て替え決議の採決の母数から除外するなど、建て替え促進に向けて制度面で手当てする方向だ。また、要除却認定を受けたマンション以外でも建物敷地売却が可能とする。
 これを受け、マンション建替法に基づく手続きについても、新たな手続きの創設が必要だとした。事業組合の設立要件やマンション敷地分割決議の要件についても、同様に条件緩和を行うべきとした。
 一連の見直しを踏まえ、マンション建て替えのためのガイドラインやマニュアルの整備を国に求めた。マンション解体に必要な費用確保の方策についても検討を促した。
 管理不全のマンションへの対応を強化するため、自治体の関与も強化する。マンション管理状況の把握や勧告後の対応を可能とする仕組みを創設する。特に、外壁の剥落などが発生する恐れのある危険なマンションについては、自治体が建て替えを働き掛けられるよう、権限を強化すべきとした。

提供:建通新聞社