国土交通省は、2024年度の業務に関する運用指針調査の結果を公表した。受発注者で帳票の作成や書類の共有といった情報共有を行うASPの導入状況を初めて調べたところ、都道府県は35団体(74・5%)、政令市は20団体(50・0%)で導入していた。一方、市区町村は4・2%、高速道路会社やUR都市機構、国立大学法人などの特殊法人が5・0%にとどまり、大半が未導入だった。書類の簡素化・電子化につながるASP導入に向け、国交省は働き掛けを強化する。
調査は、測量・調査・設計業務の発注関係事務が品確法運用指針に基づいて実施されているかを把握するため実施した。対象は国、地方自治体をはじめ全ての公共発注者で、7月1日時点の状況を聞いた。
履行期間の設定する際に休日を考慮しているかも調査。「考慮している」との回答は国や特殊法人、都道府県、政令市で100%だったのに対し、市区町村は72・6%となった。前年度からは3・9ポイント上昇した。働き方改革の推進へ、週休2日を前提とした業務発注を促していく。
履行時期の平準化に向けた取り組み状況では、成果物の納期を第1〜3四半期としている割合を調べた。都道府県は42・8%、政令市は40・4%、市区町村は43・8%となり、いずれも4割強となった。特殊法人は58・3%と高い水準だったのに対し、国の機関は25・6%で、7割超の業務の履行期日が第4四半期に集中した。国交省はさらなる平準化に向け、繰越明許や債務負担行為の積極活用を推進する。
低入札価格調査制度や最低制限価格制度といったダンピング対策の導入状況を見ると、市区町村では40・1%が未導入だった。特殊法人は19・8%が未導入。前年度比では3・5ポイント増とわずかながら改善した。都道府県・政令市はほぼ全ての団体が導入していた。
プロポーザル方式については、国、特殊法人、都道府県、政令市は7割以上で導入。一方、市区町村は48・3%と半数近くが未導入だった。
総合評価落札方式はプロポーザル方式よりも導入が遅れており、都道府県や政令市で導入済みが過半数を占めたのに対し、市区町村は7・4%とごく一部にとどまった。
提供:建通新聞社