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2024/12/19

工事書類の簡素化 市町村の6割「未実施」

 国土交通省と総務省、財務省が全国の市区町村を対象に工事関係書類の簡素化の取り組み状況を初めて調べたところ、1066団体(61・9%)が「未実施」と回答したことが分かった。工事関係書類の簡素化は、公共発注者が講ずべき措置を定める品確法基本方針、入契法適正化指針にも位置づけられた事項。現場で働く技術者の負担軽減に向け、国交省は取り組みの徹底を働き掛ける。
 全ての公共工事の発注者を対象とした、入札契約適正化法に基づく実施状況調査(7月1日時点)で明らかにした。
 工事書類の作成業務は、日中の作業後に行われることが多く、建設業団体や労働組合からは長時間労働の要因として削減を求める声が上がっていた。
 市区町村の書類削減の取り組み状況を見ると、他団体と様式を統一化しているのは16・4%、書類削減に取り組んでいるのは13・0%。直轄工事のように書類簡素化のマニュアルを作成しているのは4・8%、書類限定検査を実施しているのは0・6%にとどまった。いずれも未実施だったのは61・9%で、都道府県(4・3%)や政令市(15・0%)と比べて取り組みの遅れが目立った。
 書類の電子化、技術者の負担軽減に有効な情報共有システム(ASP)の導入状況も初めて調査。市区町村で導入済みだったのは10・3%。都道府県・政令市は名古屋市を除いて全て導入済みだった。

■週休2日の実施市町村が過半数超え

 週休2日工事を1件でも実施した市区町村は前年度から2・5倍増の55・2%となり、初めて半数を超えた。都道府県・政令市は全団体が実施しており、国交省は25年度中に市区町村の実施率も100%とすることを目指す。
 働き方改革の関連では、猛暑日を考慮した工期設定の有無を新たに調査項目とした。市区町村で考慮していたのは14・9%と一部にとどまった。都道府県は83・0%、政令市は85・0%だった。
 週休2日や祝日、年末年始といった休日を考慮した工期設定も市区町村では72・2%にとどまった。前年度からは15・6ポイントアップしたものの、都道府県・政令市の100%と比べて遅れが目立った。
 円滑な価格転嫁の推進に関連し、スライド条項の運用基準の策定状況も調査。単品スライドの運用基準を策定していた市区町村が56・5%、インフレスライドが54・3%だった。前年度比でいずれも約10ポイントのアップとなった。都道府県・政令市は100%だった。

提供:建通新聞社