国土交通省は12月13日、改正建設業法の第2弾施行に関する通知を公共・民間の発注者、建設業団体に送付した。特に民間発注者団体に対しては「受発注者はパートナーの関係にある」と記載し、資材価格が高騰した際の契約変更協議ルールについて実効性を確保するよう対応を求めた。
今回の施行分では、主要な資材の価格高騰や不足、遅延の際の請負代金額の変更方法を、契約書に記載すべき事項として規定。建設業者に対し、こうしたリスク情報を発注者に契約前に通知する義務を課す。リスクが顕在化し、受注者が契約変更を求めたときは、誠実に応じる努力義務を発注者が負う。詳細な運用は建設業法令順守ガイドラインに記載する。
この規定は、近年の資材価格の高騰を受けて整備したもの。変更規定のない契約書が広く使われていたり、価格転嫁協議が進まなかったりした実態を踏まえ、協議を円滑化する狙いがある。
公共工事では、リスク情報は落札から契約までの間に通知する。公共工事向けの通知の様式も設け、資材と労務について不足、高騰につながるリスク情報と、その根拠資料の所在を記載することとした。スライド条項に基づく対応が原則となる。
技術者の現場兼任を認める規定も施行される。1億円(建築一式工事は2億円)未満の2現場に限り、ICT機器の活用や連絡員の配置、現場間の移動が容易なことを前提に認める。このため、監理技術者制度運用マニュアルを改正。法に基づき、連絡員などの配置を明記する人員配置計画書については、参考様式を国交省ホームページに掲載する。
■CCUSで施工体制台帳の提出省略
ICTを活用した現場管理の効率化が、特定建設業者と公共工事受注者の努力義務となる。元下間のデータ共有をはじめ、取り組むべき現場管理の指針を国交省が公表する。
さらに、公共工事では、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用して施工体制台帳の写しの提出を省略できることを入札契約適正化法の施行規則に規定。国の制度として、CCUSの活用を位置付けた。
提供:建通新聞社