11月22日に二階俊博元自民党幹事長の後任として、自民党の国土強靱(きょうじん)化推進本部長に就いた佐藤信秋参院議員が建設専門紙の合同インタビューに応じ、実施中期計画の策定をはじめ今後の国土強靱化に必要な事業費について「物価がこれまで上がった分をベースに考えないといけない」と強調した。年内にも国土強靱化推進本部の会合を開き、政府に今後要求すべき予算を議論する。
現行の「国土強靱化に向けた5か年加速化対策」に続く「実施中期計画」については、年内に期間・規模感などの大枠を固め、その詳細を24年度末から25年度早期に詰めるとの方向性を提示。「大枠を示さないと、世の中が安心できない」と述べ、国土強靱化の取り組みに見通しを示す必要があるとした。
実施中期計画に盛り込む事業規模については、これまでに補正予算で措置した「5か年加速化対策」だけでなく、その期間の当初予算分についても、物価上昇率を踏まえてこれからの事業費確保を考える必要性にも触れた。
気候変動に伴う風水害や、南海トラフ巨大地震・首都直下地震といった切迫する大規模地震のリスクについては、「国民の理解が広がっている」と述べた。国土強靱化は国民生活に関わる問題だ」とし、安全・安心を守るためにソフトだけでなくハードを含めた対策が重要になるとした。
「地域の建設産業は本質的に、地域の危機管理業だ」とも述べ、その役割の大きさを評価した。「この産業で働く人が大事。働く人がいなくなれば、国土強靱化を進めることはできない」と力を込め、建設業従事者の処遇改善の重要性を強調した。
提供:建通新聞社