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2024/12/05

グリーン住宅支援に2250億 ZEH水準の新築加速化

 国土交通省は、子育て世帯を対象に、ゼロエネルギーハウス(ZEH)水準の住宅新築を支援する事業を2024年度補正予算案に盛り込んだ。全世帯を対象に、ZEH水準を上回る住宅新築を補助する環境省の事業と連携し、「子育てグリーン住宅支援事業」を新設。合計2250億円を投じ、ZEH水準かそれ以上の住宅の導入を加速させる。
 ZEHは、省エネ性能の高い設備機器や高断熱な建材により消費エネルギーを削減し、太陽光発電設備などでエネルギー収支を改善した住宅。政府は30年度以降、新築住宅が適合すべきエネルギー性能をZEH水準に引き上げ、50年には既存ストック平均でZEH水準を達成するとの目標を設定している。支援事業により住宅ストックのエネルギー性能を底上げし、目標達成の道筋をつける。
 子育てグリーン住宅支援事業は、エネルギー性能の高い住宅を幅広く支援し、エネルギーコスト上昇の影響を受けやすい世帯を下支えする狙いもある。。
 支援する住宅の分類としてZEHを上回る「GX志向型住宅」を新設する。断熱性能等級「6以上」、再生可能エネルギーを含む1次エネルギー消費量の削減率「100%」(再エネ除き35%以上)を求める。注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入、賃貸住宅の新築に当たり、1戸当たり160万円を補助する。
 18歳未満の子どもがいる子育て世帯や、夫婦のいずれかが39歳以下の世帯には、「長期優良住宅」の新築に80万円、「ZEH水準住宅」の新築に40万円を補助する。建て替え前住宅を除却する場合は、さらに20万円を追加する。 経済産業省が補正予算案に盛り込んだ家庭用蓄電システム導入支援との併用も認める。電力需給調整に対応した蓄電システムの導入支援に要する費用の3分の1を補助。
 子育てグリーン支援事業には、既存住宅の省エネ改修に対する補助も盛り込む。具体的には、▽開口部の断熱改修▽躯体の断熱改修▽エコ住宅設備の設置―の3工事を満たす場合に上限60万円、いずれか2工事を満たす場合に40万円をそれぞれ補助する。さらに、子育て対応改修や、バリアフリー改修といった付帯工事にも補助を設ける。
 既存住宅の省エネ改修に当たっては、環境省・経産省による高断熱窓や高効率給湯器の設置に対する補助事業とも連携し、ワンストップで一括申請できるようにする。新築分と合わせ、関連する補正予算案として総額4230億円を投じ、住宅の省エネ性能を高める。

提供:建通新聞社