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2024/12/02

1級1次検定の合格者 29歳以下は2・4倍

 2024年度に行われた1級施工管理技術検定の第1次検定で、29歳以下の受験者数(7種目合計)が前年度比で2・9倍と大幅に増加していたことが分かった。受験の要件から学歴・実務経験年数を撤廃したことにより、若年層の受験機会が大幅に拡大。これにより、29歳以下の合格者も2・4倍に増えた。国土交通省は、技術者の高齢化が深刻化する中、若年層の受験者を今後も継続して確保できるよう、制度改正を広く周知する考えだ。
 技術検定制度の見直しにより、今回から年度末時点で19歳以上であれば1級第1次検定の受験資格が認められるようになった。これにより、全体の受験者数は1・5倍の15万0236人に増加。特に、29歳以下の受験者数は前年度と比べて2・9倍の5万2669人と大幅に増えた。25歳未満に限れば9・6倍とさらに増えた。
 合格者数も大幅に増え、全体では1・4倍の6万2839人となった。29歳以下は、合格者数が2・4倍の2万4587人となった。25歳未満は7・3倍の8810人だった。
 受験者数の伸びほどには合格者数が増えなかったのは、前年度までと比べて経験の浅い受験者が多かったことが背景にあるとみられる。
 検定種目別に29歳以下の合格者数を見ると、人数の最も多い土木が2・4倍の1万0418人だった。以下、建築が2・2倍の6034人、管が4・1倍の3877人、電気が1・8倍の3306人、電気通信が4・5倍の452人、造園が2・7倍の328人、建設機械が1・9倍の172人となった。
 1級1次検定の受験者数は直近20年間にわたって横ばいから減少傾向にあった。この間に監理技術者のうち39歳以下の層が半減し、60歳以上が増加するなど、高齢化が進んだ。今回の受験要件の見直しは、こうした技術者の高齢化の状況に歯止めをかける狙いがあった。
 ただ、若年層の受験者数・合格者数の増加には、これまで実務経験を満たさずに受験できなかった、すでに建設業で働いている若年層が一斉に受験した側面もある。一過性のものとしないためには、受験機会の拡大を広く周知し、他産業の従事者や、建築・土木以外の学科に在籍する学生らを呼び込まなくてはならない。国交省は、技術検定制度の認知度向上へ、SNSをはじめデジタル技術を活用した広報手法を検討する。

提供:建通新聞社