日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)、全国建設業協会(全建、今井雅則会長)、日本道路建設業協会(道建協、西田義則会長)の3団体は11月15日、中野洋昌国土交通相に公共事業予算の確保を要望した。中野国交相は「社会資本整備は『未来への投資』であり、持続的な経済成長をもたらす基盤となる」として、2024年度補正予算と25年度当初予算での予算確保に努める考えを示したという。
日建連の宮本会長、押味至一副会長、蓮輪賢治副会長、全建の今井会長、道建協の西田会長らが国交省を訪れ、中野国交相に要望書を提出した。佐藤信秋参院議員、足立敏之参院議員も同席した。
24年度補正予算案は28日に召集される臨時国会への提出、25年度当初予算案は年内の閣議決定を見込んでおり、いずれも編成作業が大詰めを迎えている。自然災害が頻発化・激甚化し、インフラの老朽化が深刻化する中で、3団体ともに国土強靱(きょうじん)化を着実に進めるため、公共事業費の増額を求めた。
資材価格高騰や労務費上昇の影響も踏まえ、大型の補正予算や前年度を上回る当初予算を編成し、事業量を確保することも訴えている。
改正国土強靱化基本法の実施中期計画の早期策定も要望した。日建連と全建は、実施中期計画の事業期間を5年、事業規模を25兆円とし、必要な事業量を確保することも求めている。
公共工事設計労務単価の引き上げも3団体そろって要望した。日建連は、請負契約の透明化を図り、建設技能者の処遇改善と価格高騰時の労務費へのしわ寄せを防止する改正建設業法の適切な施行も求めた。全建は、建設業従事者の賃上げが可能となるよう、現場管理費と一般管理費を引き上げることも求めている。
中野国交相は「建設業は『社会資本整備・維持管理の担い手』であると同時に、災害時に最前線で『地域の守り手』として重要な役割を果たしている」と述べた上で、「若い世代に希望を持ってもらえる政策を国交省として実施したい」と応じた。
提供:建通新聞社