国交相に就任した中野洋昌氏が11月13日、建設専門紙との会見に応じ、第3次担い手3法を踏まえた建設業の働き方改革と処遇改善に注力する考えを示した。建設業の課題として担い手の確保を挙げ、「将来の見通しが持て、若い人たちにとって魅力的な産業を目指していきたい」と述べた。
――建設業の担い手確保をどのように進める。
「建設業は災害時の応急対策、平時の防災・減災、国土強靱(きょうじん)化に必要な社会資本整備を担う、重要な役割がある」
「この役割を 将来にわたって果たし続けていくには、やはり担い手の確保が必要。そのためには働き方改革と賃上げなどの処遇の改善が重要だ」
――第3次担い手3法が成立した。同法に基づく施策をどのように進める。
「一つは適正工期の確保だ。働き方改革の具体化に向け、長時間労働を前提としない工期設定を徹底する」
「処遇改善では、これまで公共工事設計労務単価を継続的に引き上げてきた。今後も適正な労務費をしっかり確保する」
「それだけでなく、労務費を技能者にまで賃金として行き渡らせる取り組みにも力を入れる。資機材価格が高騰しているが、労務費へのしわ寄せ防止対策も講じなくてはならない」
「合わせて、建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用拡大を進めていく。技能と経験を技能者の処遇に適切に反映させられるようにする」
――防災・減災、国土強靱化へのスタンスを聞きたい。
「石破内閣でも非常に重要性の高い分野だと思っている。まずは、能登半島地震をはじめ、災害被災地の復旧・復興を全力で進める」
「一方、災害は非常に激甚化・頻発化している。あらゆる自然災害に対し、総力戦で挑む防災減災プロジェクトを進めており、ハード・ソフト両面で対策を充実させる」
「国土強靱化対策では、政府で検討中の総合経済対策に現行の5か年加速化対策の関連施策を盛り込む。必要・十分な予算を確保する」
「5か年加速化対策以降も中長期的・明確な見通しの下、安定的に強靱化を進める必要がある。新たに法定化された国土強靱化実施中期計画の検討を最大限、加速化する考えだ」
提供:建通新聞社