電子入札を導入している全国の市区町村が、2023年度末時点で872団体となり、全市区町村の50・1%となったことが、日本電子認証の調べで分かった。同社の調べによると、24年度に新たに電子入札の導入を予定している市区町村は40団体以上あるという。
国土交通省が電子入札を本格導入した02年から20年以上がたち、電子入札を導入した市区町村も半数を超えた。すでに都道府県は全47団体が電子入札を導入しており、市区町村の導入も段階的に進んでいる。
現在、電子入札を導入している都道府県・市区町村は、日本建設情報総合センターと港湾空港建設技術サービスセンターが開発した「電子入札コアシステム」を採用しているが多い。
共通の情報基盤であるコアシステムを採用すると、開発コストと運用コストを削減できるため、ほぼ全ての市区町村がこのシステムを採用しているという。都道府県と市区町村、市区町村同士が連携し、システムを共同利用するケースもある。
ただ、電子入札の導入率は、都道府県によって大きな差がある、全47都道府県のうち、市区町村の導入率が100%の都道府県は、福井県、愛知県、愛媛県、大分県の4県のみ。一方、導入率が最低の北海道など、8都道府県で市区町村の導入率が10%を下回っている=表参照。
電子入札コアシステムや共同利用によって負担を軽減できるとは言え、予算規模が小さく、入札件数の少ないと、導入を見合わせるケースも多いという。
電子入札は、発注機関への移動の必要がなくなり、入札関係書類の郵送費用も縮減されるなど、入札参加者にとっては生産性向上や働き方改革に効果がある。6月の改正品確法の成立を受け、25年度に適用される同法の運用指針では、電子契約や電子納品のオンライン化と並び、電子入札システムを導入することが発注者に新たに求められる見通しだ。
提供:建通新聞社