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2024/11/07

全建 石破首相に予算確保要望

 全国建設業協会(全建)の今井雅則会長、鳥取県建設業協会の山根敏樹会長らは11月6日に首相官邸を訪れ、石破茂首相に公共事業予算の確保に関する緊急要望を行った=写真。前年度の補正予算を上回る規模で2024年度補正予算を編成するとともに、国土強靱(きょうじん)化実施中期計画を5年25兆円の規模で早期に策定することを要望。石破首相は、ソフト・ハードを組み合わせた事前防災に力を入れる考えを示したという。
 会談には、佐藤信秋参院議員、足立敏之参院議員、森昌文首相補佐官らが同席。全建が首相に対して公共事業予算の確保を要望するのは今回が初めて。衆院選後、首相官邸を訪れた業界団体も、全産業で全建が初めてだという。
 緊急要望では、全国で地震・台風・豪雨による被害が多発し、インフラの老朽化が進んでいる中で、国土強靱化の重要性を改めて強調。国土強靱化と地方創生につながるインフラ整備を加速するため、24年度補正予算を前年度の補正予算よりも増額し、十分な公共事業費を確保するよう求めた。
 25年度当初予算についても、資機材価格の高騰を踏まえ、24年度当初予算を上回る公共事業費と十分な発注件数を確保することを要望した。
 さらに、改正国土強靱化基本法に基づく実施中期計画を早期に策定し、25年度に計画をスタートさせることも要請。資機材価格や労務費の上昇、自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、現在の5か年加速化対策の5年15兆円の規模を上回る、5年25兆円の規模とすることも求めた。
 合わせて、災害時に最前線で対応する地域の守り手、地方創生の担い手として、建設業が重要な役割を担うことも強調し、他産業に負けない処遇を実現する必要性を訴えた。
 当日の会談で、建設技能者の年収が40歳後半から50歳前半をピークに減少傾向にあり、災害対応の最前線で活動する地域建設企業が不在の「災害空白地帯」も増加している実態を石破首相に説明。公共工事設計労務単価のさらなる引き上げ、賃上げに必要な利潤を企業が確保するための現場管理費・一般管理費の引き上げを要望した。石破首相は、民間建築工事の賃上げに意欲を示したという。

提供:建通新聞社