建設キャリアアップシステム(CCUS)能力評価制度推進協議会(会長・岩田正吾建設産業専門団体連合会会長)は、技能者の処遇改善に向け、元請け団体を交えて議論する「企画分科会」を発足させた。CCUSレベルに応じて賃金・手当支払いを行う「技能者を大切にする適正企業」の自主宣言制度創設や、経審加点といったインセンティブの導入、能力評価の横断的な課題について話し合う。
能力評価は、CCUSに登録された技能者の技能と経験を踏まえ、国土交通大臣が認定した分野別の評価基準で判定。これまでに42分野で能力評価基準が整備されており、7月末時点でレベル2以上の能力評価判定の件数は10万件を超えている。
企画分科会には、能力評価を行っている専門工事業団体に加えて、元請け団体として日本建設業連合会と全国建設業協会、全国中小建設業協会が参加した。元請けの立場から技能者の能力評価や企業の施工能力の可視化について意見を求める。住宅生産団体連合会も参加し、住宅工事現場での能力評価の在り方を議論する。
10月21日に開いた初会合では、CCUSレベルに応じた賃金・手当支払いの促進に向け、発注者と元請け、下請けを対象とする「技能者を大切にする適正企業」の自主宣言制度の在り方、基準を話し合うことで一致した。2024年度内の制度創設、認定を目指している。宣言企業に対する表彰や、経審での加点といったインセンティブの導入、推進目標の設定も26年度にかけて検討する。
技能者の能力評価に関しては、分野別の団体を横断する課題を議論し、共通の考え方を整理する。多能工に関する評価基準の統一ルール策定などを話し合う。現行では4段階となっている能力評価の細分化や、製造・加工現場に従事する技能者の取り扱いについても議論し、ガイドラインの見直しにつなげる。住宅建築分野での能力評価基準の策定も、25年度にかけて進める。
施工能力の見える化評価についても議論する。元請け・発注者と連携して現行制度を見直すことや、高い評価を受けた企業の受注機会の拡大方策を考える。
25年夏ごろまでに分科会を3回程度開き、当面の取り組み事項をまとめ、分科会の上位会議であるCCUS能力評価推進協議会に報告する。
提供:建通新聞社