10月27日投開票の衆院選で自民党と公明党の与党が過半数割れとなり、2024年度補正予算案の編成・成立が停滞する恐れが生じている。石破茂首相は、選挙前の4日に各省庁に経済対策の策定を指示しており、選挙戦後の11月上旬にも経済対策を閣議決定し、年内に2024年度補正予算案を成立させる考えだった。
27日投開票の衆院選では、自民党の獲得議席が191議席、公明党が24議席の合計215議席となり、過半数を下回った。裏金問題で非公認となった無所属議員を加えても、今後の政権運営に野党との連立や政策協議が不可欠な情勢だ。
政府は、選挙後の閣議決定を見据え、経済対策や24年度補正予算案の編成を進めてきた。24年度補正には、国土強靱(きょうじん)化、石川県能登地域の災害復旧・復興、中堅・中小企業が賃上げできる環境整備などの関連予算が盛り込まれる見通し。補正予算の規模についても、前年度の13兆円を上回る規模とする姿勢を示している。
年明けの通常国会に提出される25年度当初予算案では、石破政権肝いりの地方創生交付金の倍増なども検討されている。
今後、与党が野党との調整に手間取ると、補正予算や当初予算の成立時期に影響が出る恐れもある。政府内には「補正予算の年内成立は難しいのではないか」という声も出ている。
提供:建通新聞社