国土交通省は、2023年度の「下水道管路メンテナンス年報」をまとめた。23年度に点検したマンホール1万9160カ所のうち、異状ありと判定された箇所は1973カ所(10・3%)。管渠は、点検した670`の21・8%に当たる146`で異状ありと判定されている。
2015年の下水道法改正で創設した維持修繕基準によって、下水道管理者には5年に1回以上の頻度で「腐食する恐れが大きい箇所」を点検し、点検結果を公表することが求められている。
マンホール内部からの目視、地上からマンホール内への管口カメラの挿入などによって異状の有無を確認し、異状が発見された箇所については実態を調査し、劣化レベルに応じて修繕する必要がある。16年度に始まった点検は、21年度から2巡目の点検を開始している。
2巡目の3年目に当たる23年度は、腐食の恐れの高い箇所に設置されているマンホール1万9160カ所、管渠670`の点検を実施した。都道府県別の点検実施率は、実施率20%以上の都道府県がマンホールで18都県、管渠で15府県となっている。
マンホールの点検2巡目(21〜23年度)の診断結果を見ると、点検対象1万3327カ所のうち、対策が必要と診断された箇所は1525カ所(11・4%)だった。さらにこのうち、23年度末までに対策を完了したマンホールは357カ所だった。
一方、対策の緊急度を3段階で判定する管渠の診断結果は、最も劣化が著しい緊急度T(重度)が8・3`となり、点検で異状を確認した管渠の1・3%にとどまった。緊急度Uは77・0`(12・5%)、緊急度Vは244・7`(39・6%)となっている。
緊急度Tと診断された管渠のうち、対策を完了した管渠は3・6`だった。
提供:建通新聞社