財務省は10月22日、財政制度審議会の分科会を開き、2025年度当初予算の編成を見据えて地方財政の課題を議論した。インフラ老朽化に限られた地方自治体職員・予算で対応するため、既存の行政区域にとらわれず、広域的な視点でインフラマネジメントに取り組むことが重要だとの方向性を示した。
具体的には、複数の自治体が連携して包括的民間委託などの手法を取り入れ、広域的・分野横断的な維持管理を導入する。発注業務の効率化や、維持管理に要するコストの軽減につなげる。受注者は複数社で構成するJVや、事業協同組合などとなる。
人口減少に伴って公共施設の利用需要も減少するため、自治体をまたいだ広域で統廃合を検討する必要もあるとした。秋田県民会館と秋田市文化会館を廃止し、両施設の機能を集約した建物を県市が共同で整備した例を挙げ、整備費・運営費のコストダウンにつながるとした。
下水道事業については、特に処理区域人口の小さな事業者で使用料収入が限られ、大部分が自治体の公費負担となっている実態を指摘。下水道事業についても広域化や官民連携の活用、施設の共同化が有効だとした。
提供:建通新聞社