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2024/10/24

強靱化実施中期計画 方針段階で意見聴取

 政府は10月23日、5か年加速化対策以降の国土強靱(きょうじん)化の事業規模、事業期間を示す「実施中期計画」の策定に向けた有識者会議を開いた。計画の策定に先立って方針案を決め、地方自治体への意見聴取やパブリックコメントを行う、とする今後の進行案を提示した。
 実施中期計画は、2023年の国土強靱化基本法改正により、法定計画に位置付けられた。5か年加速化対策の後継として、一定の計画期間内に実施すべき施策の内容、目標、必要な事業規模を示す。財政面を含めて計画的に強靱化事業を実施するための裏付けとなる他、建設業界にとっては中長期の事業の見通しを示し、人材や資機材への投資を支える効果も期待される。早期の計画策定を求める業界に対し、与党からは年内に期間・規模感、24年度中に詳細を詰めるとの声も出ている。
 23日の会議では、今後の進め方案として、次回以降の会議で計画の策定方針案を提示するとした。その上で、関係府省庁との調整、自治体への意見聴取とともに、さらに広く国民の意見を聞くパブリックコメントを行う。その後、素案・案へとブラッシュアップし、閣議決定する。
 会議では、森昌文首相補佐官が能登半島地震や9月に発生した豪雨の被害を踏まえた上で、「(強靱化施策の)中身を整理し、実施中期計画の策定に向けた検討を行いたい」と述べた。
 5か年加速化対策の取り組みに関する評価も引き続き行った。今回は建設業の人材・資機材の動向を分析。国土交通省の公共事業は当初予算、補正予算分のいずれも「順調に執行」と評価した。9月に開いた国交相と建設業団体との意見交換でも、業界側から「施工余力は問題ない」との意見が寄せられたことを紹介。建設業者が不足基調にあるとの調査結果も示し、現場のオートメーション化を通じた施工力の確保が必要だとした。ICT施工が直轄工事だけでなく都道府県・政令市でも浸透しているとし、今後はi−Construction2・0によりさらなる省人化に取り組むとした。
 福和伸夫名古屋大学名誉教授は民間、個人の建物の耐震化を加速させる施策が必要だと指摘。耐震改修の大幅な拡大は建設需要を増大させ、施工力の確保にもつながるとの見方を示した。

提供:建通新聞社