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中央ニュース

2024/10/23

次期バリアフリー目標検討 施設整備に当事者の声

  国土交通省は、バリアフリー法に基づく公共施設整備の新たな目標設定で、高齢者や障害者といった当事者の参画推進を主要な検討課題に位置付ける。現行のバリアフリー方針でも、施設整備や基本構想の策定に際して障害者の参画に努めるとされているが、実施事例が一部にとどまっている。これまでの参画事例を調査し、施設管理者向けに周知するとともに、積極的な取り組みを促す方向だ。
 バリアフリー法とその関連施策の在り方に関する有識者検討会で提示した。現行のバリアフリー方針に基づく目標が2025年度末までとなっていることから、次期目標の在り方と対応策を議論している。
 当事者参画については、延べ2000平方b以上の特別特定建築物の新設・改修や、自治体のバリアフリー方針・基本構想の策定に当たって実施を促す。
 当事者団体からは、空港やターミナル駅のような複合的な施設の場合、交通事業者だけでなく飲食店などのテナントにも意見を伝えられる仕組みを求める声が寄せられた。災害時の避難所となる学校の体育館でのバリアフリーの必要性に対する指摘や、多様な障害者の参画を求める意見もあった。有識者からは、大規模な市街地再開発では当事者参画がほとんど行われていないとする指摘も出た。
 具体的な事例としては、東京都が2020東京五輪・パラリンピックの協議会場を整備する際、当事者参画の進め方を示すハンドブックを作成した。
 当事者参画の他、バリアフリー方針を考える際の主要課題として、地域特性に応じたバリアフリーまちづくりも検討事項に位置付けた。地方自治体によるバリアフリー基本構想などの作成を促進するため、自治体の規模や地域性を考慮した策定事例を整理する。

提供:建通新聞社