2024/11/12
全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(5) 東海
「建設業協会東海4県ブロック会議」は10月21日、津市内で71回目の会議を開いた。主催県の三重県建設業協会が南海トラフ地震への対応としての「伊勢志摩・東紀州地域における半島震災の備え」を要請。出席した他3県協会の会長は「中山間地域における充実した道路の維持管理」(静岡建協)、「国土強靱(きょうじん)化実施中期計画の早期策定並びに大規模災害発生時の連絡統制等」(愛知建協)、「働き方改革の推進」(岐阜建協)などを要望し、国土交通省幹部と意見を交わした。
主催県である三重建協の竹上亀代司会長は「建設産業は、災害時の安全・安心の確保を担う『地域の守り手』としての社会的役割を果たしていかなければならない」とし、「災害を踏まえ、国土強靱化の充実は喫緊の課題」と重要性を訴えた。さらに三重県の一見勝之知事がビデオメッセージを寄せ「災害対応などの際には命の守り手となる」と日頃の備えに期待を寄せた。
国交省の蒔苗浩司大臣官房審議官は「安全・安心を担う皆さんの存在は大変心強い。持続可能な建設業としていくため、国交省も安定的かつ持続的発展に向けた取り組みを強化する」とあいさつ。中部地方整備局の佐藤寿延局長は「安全な現場が確保されて、担い手の確保ができる。安全第一に進めてもらいたい」と呼び掛けた。
三重建協は、半島震災への備えについての議題を提案。能登半島と同じような半島のリアス式海岸があり、同様の被害が想定されることから事前準備への協会の関わり方とともに、幹線軸の4車線化や現道施設の強靱化など震災に強いインフラ整備を求めた。さらに、県内の道路網整備促進や資材高騰時における積算・契約の改善を要望した。
静岡建協は、中山間地域の集落内の維持管理について、自治会や建設業の地域貢献による対応の限界を伝え、道路の維持管理費が十分に確保できていない現状を懸念した。道路の維持管理への予算確保と安定した仕組み作りを訴えた。
愛知建協は、巨大地震への対応、事前防災を含めた社会資本整備の重要性を強調し、国土強靱化中期計画の早期策定を求めた。これらとともに、確実な体制構築に向けた災害協定に基づく連絡体制や手法の再検証を求めた。
岐阜建協は、働き方改革について取り上げ、週休2日制の運用方法の緩和や、凍結防止剤散布業務を一律に労働基準法の対象とするよう、厚生労働省への働きかけを要望した。週休2日制に関しては現状、月単位での週休2日制が運用されているため、現場単位での週休2日制とするように訴えた。
(地方建設専門紙の会・建通新聞社)