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2024/10/22

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(2) 四国

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)と国土交通省は10月11日、2024年度四国ブロック会議を徳島市内で開いた。全建傘下の四国建設業協会連合会(四建連、西村裕会長)が▽公共事業予算の確保と四国への重点的な配分▽防災・減災対策と強力な社会資本整備の推進▽働き方改革と担い手確保・育成▽地元優良建設企業の受注機会の確保―の4項目について意見・要望し、国土交通省と協議した。四県連の西村会長は「南海トラフ巨大地震などが懸念される四国地方における防災・減災対策などの予算確保は必要不可欠。四国ブロックの総意実現に向け尽力いただきたい」と訴えた。
 最初に公共事業予算の確保と四国への重点的な配分について四建連は、「自然災害多発地域にも関わらず、社会資本整備水準が全国レベルに遠く及ばない」と状況を述べ、大型補正予算の早期成立と執行、改正国土強靱(きょうじん)化基本法に基づく中期計画の策定などを求めた。
 これに対し国交省は「今回の補正予算に加え、今後も安全・安心確保と生産性の向上に向けた必要かつ重要な予算確保と執行に取り組む」とし、中期計画については「最大限加速化し、継続的・安定的に国土強靱化に取り組めるよう中長期的かつ明確な見通しを関係省庁と進める」と述べた。
 続いて防災・減災対策と強力な社会資本整備の推進について四建連は「南海トラフ巨大地震に備えた防災・減災のための施設整備を地域住民が希求している」と現状を話し、緊急輸送路と重要道路の耐震化や予防保全に重点を置いたインフラの老朽化対策、土砂災害対策などの必要性を訴えた。さらに四国新幹線の早期実現も求めた。
 これに対し国交省は「防災・減災に向けた整備をしっかり進める。国土強靱化のための5か年加速化対策を活用しながら、優先度をつけ集中的にインフラメンテナンスにも取り組む」とした。また四国新幹線については「まずは整備計画路線の確実な整備が最優先。基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワークなどに関する調査に取り組む」と述べるにとどめた。
 働き方改革と担い手確保・育成では、四建連が「人口減少が顕著な四国において最大の懸念事項」と話し、建設従事者や外国人材の受け入れ支援、『第三次・担い手3法』の適正運用と全発注者への浸透、抜本的な積算体制の見直しやインフラDXの推進、支払い条件の改善などを求めた。
 これらの意見について国交省は、「外国人材の採用、定着に向けたハンドブックの作成やインドネシアやベトナムでの就職説明会の開催を進める。第三次・担い手3法については実効性のある受発注者間のパートナーシップを構築し、資材価格高騰などの情報共有と円滑な価格転嫁を図るとともに適正な労務費確保や建設Gメンによる技能者の処遇改善、CCUSの活用拡大に努める」などと回答した。
 最後に地元優良建設企業の受注機会の確保について国交省は「地域の守り手確保に向けた地元企業の評価に向け、引き続き工事の特性に合わせた地域要件や施工実績などによる発注を進める。地域に根差した建設産業の育成を進めていく」と回答した。
 意見交換後、全建の今井会長は「国や人を守り、地域経済を支える建設業の持続的発展に向け、今後も協議を続けていきたい」と総括した。
(地方建設専門紙の会・建通新聞社)