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中央ニュース

2024/10/17

建設工事の入札参加資格 有効期間3年に課題

 総務省は、地方自治体の入札参加資格審査の申請方法を共通化するため、資格の有効期間や申請時期の見直しについて全ての都道府県・市区町村に意見を聞いた。意見照会の結果を見ると、「物品・役務等」と「建設工事」の有効期間を3年に統一することに「課題がある」と回答した市区町村は3割にとどまったが、都道府県では6割に上った。建設工事の有効期間を3年とした場合、有資格者の経営状況が適切に把握できず、契約不履行などのリスクが高まるなどとした。
 課題があると回答した自治体の内訳は、都道府県が28団体(全体の59・6%)、市区町村が483団体(全体の29・3%)。市区町村では、物品・役務と建設工事の有効期間を2年で統一している自治体が多いため、事務負担の観点から有効期間を統一すべきという回答が多かった。
 一方、資格の有効期間を3年で統一することの主な課題として、経営状況の適切な把握と契約の適正な履行確保が上げられる。最新の経営状況を把握できず、審査時の格付けの等級と実際の契約時の実態が合わない恐れがあるとの指摘があった。個々の入札時に経営状態を調査するのは、事務負担、格付けへの適切な反映、制度改正した場合の対応遅れなどにもつながる。事業者が等級を上げる機会が減少し、事業者に不利益になるといった課題もある。
 総務省は、調査結果を踏まえ、物品・役務の共通申請方法案をまとめた。有効期間は3年とし、今後の検討状況の進捗に応じて変更・調整する方針だ。
 また、共通申請方法案によると、定期申請の受け付け期間は10月1日〜11月30日。資格の有効期間の開始時期は4月1日となる。随時申請の場合、4月1日から次回定期申請直前の1月31日まで申請を受け付ける。追加申請は、定期申請の翌年度以降の10月1〜31日に申請を受け付ける。
 総務省は、物品・役務の共通申請方法案を前提として、2025年度に建設工事の共通の申請方法の暫定案もまとめる。物品・役務、建設工事の共通申請の暫定案も踏まえ、広域・全国的な共通の入札参加資格審査申請システムや共同受付・審査も検討する。

提供:建通新聞社