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2024/10/15

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(1) 関東甲信越

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)の都道府県協会と国土交通省幹部が意見を交わす2024年度地域懇談会・地方ブロック会議が、10月8日の関東甲信越ブロックを皮切りにスタートした=写真=。東京・大手町の経団連会館に集まった10都県の協会長らは、公共事業予算の確保、働き方改革、人材確保、生産性向上などを要望。関東甲信越地方建設業協会会長会の青柳剛会長(群馬県建設業協会会長)は、時間外労働の上限規制を「業界が大きく変わるチャンス」と訴え、会員が働き方改革の好事例を共有すべきと訴えた。
 青柳会長は「大きな変化の時こそ穏やかなスタートとできるか大事な時」とも述べ、「ICT施工の普及も含め、速度が遅い人を真ん中に据え、地域全体で働き方改革を展開することがポイントになる」と、地域建設業の底上げが重要だとの見解を示した。
 来賓として出席した国交省の平田研不動産・建設経済局長は「ブロック会議は地域の建設業が抱える課題を聞き、行政もそれに対する考え方を伝える貴重な機会。各地域の課題を踏まえ、建設業が4Kを目指すために必要な施策を講じていきたい」と述べた。
 沓掛敏夫大臣官房技術審議官は「建設業が担い手を確保するためには働き方改革と処遇改善が不可欠。生産年齢人口が減少する中で生産性の向上も必要。各地方自治体の発注体制も整えなくてはならない」などとあいさつした。
 関東地方整備局の岩ア福久局長は「今年も台風10号に伴う豪雨などで、関東地整管内の各地でも被害が生じた。そのたびに24時間態勢で対応してもらい、早期の復旧と交通開放によって地域への影響を最小限にとどめてくれている」と謝意を示した。

「労務単価の設定 抜本的見直しを」

 意見交換では、長野県建設業協会が公共事業予算の持続的・安定的な確保と国土強靱(きょうじん)化について要望。公共事業予算の地方への重点配分と当初予算での計画的な措置、国土強靱化実施中期計画の早期策定を求めた。
 群馬県建設業協会は、公共工事設計労務単価の抜本的見直しを訴えた。具体的には、繁忙期・閑散期・市況に応じた柔軟な単価設定、政策的な単価を追加、建設キャリアアップシステム(CCUS)に応じた単価設定が必要だとした。
 埼玉県建設業協会も労務単価の抜本的見直しを求めた。地域の建設業が地域の守り手としての役割を担えるよう、確実な賃上げの実施によって担い手を確保すべきとした。茨城県建設業協会も、週休2日導入に伴って就業者の所得が減少しないよう、労務単価の見直しと現場管理費・一般管理費の引き上げを要望した。
 神奈川県建設業協会は、公共工事標準請負契約約款を見直し、着工した現場が災害に被災した場合、災害復旧工事だけでなく、通常工事でも不可抗力として受注者負担をゼロとすることを要望。スライド条項の受注者負担の廃止も求めた。
(地方建設専門紙の会・建通新聞社)