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2024/10/09

部局間連携を明記 平準化促進の通知発出

 国土交通省は10月7日、施工時期の平準化に向けた取り組みを地方自治体に求める通知を発出した。改正品確法を踏まえ、工事の実施部局だけでなく、入札・契約や財政に関わる部局とも緊密に連携して平準化の取り組みを進めることを初めて通知に明記した。従来から平準化をけん引していた自治体の土木部局に加え、近年では農林部局の取り組みが急速に進展している=グラフ。こうした発注部局間の連携も促していく。
 施工時期の平準化は、公共工事を受注する建設業の繁閑の差をならし、年間を通じて工事量を安定させることで円滑な発注や受注者の働き方改革につなげる。従来、国交省と距離の近い土木部局を通じて実施を働き掛けてきたが、改正品確法で入札・契約部局や財政部局など、関係部局の相互連携が努力すべき事項に位置付けられたことを受け、通知に盛り込み、一層の取り組みを自治体に促すことにした。
 具体的には、平準化に向けた五つの取り組み▽債務負担行為の活用▽柔軟な工期の設定▽速やかな繰り越し手続き▽積算の前倒し▽早期執行のための目標設定―の頭文字を取った「さしすせそ」を推進する。
 23年度に総務省、国交省が農林水産省と連名で平準化推進を求める通知を出したところ、都道府県の農林部局で「さしすせそ」の取り組みが急速に進展。特に債務負担行為や積算の前倒し、目標設定は「取り組みをしている」と全都道府県が回答した。国交省は引き続き、特に発注量の多い土木部局と農林部局に対して平準化を引き続き求める。
 一方、建築部局については平準化に向けた取り組みを未実施の都道府県が過半数を占めており、国交省は粘り強く実施を働き掛ける方針だ。平準化の関係部局連携は、改正作業を現在進めている品確法の運用指針にも盛り込む。
 一方、入札契約適正化法に基づく実態調査結果を可視化したところ、特に市区町村の平準化が都道府県と比べて遅れていることも明らかになっている。そこで通知では都道府県に対し、市区町村に平準化を働き掛けるよう求めた。
 現行では平準化の取り組みは、4〜6月の工事閑散期の工事稼働数が年間平均にどれだけ近いかで評価している。平準化を加速するため、年末〜年度末の繁忙期の稼働数を年平均に近づける「ピークカット」を新たな指標として検討していることも通知に付記した。

提供:建通新聞社