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2024/10/07

SCP工にICT施工適用 路面切削は必須化

 国土交通省は、地盤改良工のうちサンドコンパクションパイル工について、2025年度からICT施工の適用対象とする。ICT地盤改良機の活用が進んだことを受け、普及を後押しする。さらに、舗装工のうち路面切削は既に現場導入が進んだとして、これまでのICT施工の選択項目から必須項目へと見直す。ICT導入協議会で今後、具体化へ検討を深める方針を報告した。
 サンドコンパクションパイル工では、ICT施工を出来形管理と検査に活用する。ケーシングパイプを打ち込んで土中に砂杭を造成する際、従来は人力により杭を誘導していたが、GNSSで杭芯の位置を決められるようにする。杭芯位置の座標を記録することで、杭の間隔計測を省略できるようにする。
 砂投入量・深度の計測値を用いた杭径の全数管理も実施する。従来は100本に1本を掘り起こして確認していたが、こうした作業をICTで簡素化する。施工履歴データを生かして出来形を管理し、作業を効率化する。
 起工測量や施工用データの作成、杭施工についても、基準類等の整備を検討する。施工履歴データの活用が可能になる場合は、要領化も視野に入れる。
 ICT舗装工(修繕工)では、路面切削と、その出来形管理でのICT活用を必須とする。ICT路面切削機の普及が進んだことを踏まえて決めた。これに合わせて、出来形管理基準と規格値の見直しも検討する。
 この他、BIM/CIIMによる出来形管理の簡略化を検討。施工段階で作成した3次元モデルを、拡張現実(AR)技術を活用して現場に投影すれば、ずれがないかを容易に確認できるようになる。完成検査の準備段階で必要になる出来形管理図表の作成や、その後の実地検査を省略できるようにする。遠隔での検査を試行し、有効性が検証されれば出来形管理要領に盛り込む。
 3次元計測技術に関する出来形管理要領のスリム化も検討する。毎年度の工種拡大に追随するため、23年度には1400ページ超となっており、利用者からは使い勝手の改善を求める声が上がっていた。工種別の実施事項にアクセスしやすくするため、総括表を設けることや、要領の利用方法に関する説明資料を作成することを検討している。25年4月以降に運用を開始する。

提供:建通新聞社