7種目ある1級施工管理技術技術検定で、2024年度に行われた「第1次検定」の結果が出そろった。全ての種目で受検者数が増加し、合計は前年度と比べて51・0%増の15万0236人。03年以来、15年ぶりに15万人台となった。今回から制度見直しにより、学歴・実務経験年数を問わず、19歳以上であれば受験資格を認めるようになったことで、若手を中心に受験者が大幅に増えた。
この20年間にわたって1級第1次検定の受験者は減少から横ばい傾向を続けてきた。この間、監理技術者の約2割を占めていた39歳以下の層は半減。1割超だった60歳以上が全体の3分の1を占めるようになり、高齢化が急速に進んだ。
受験者にとってハードルとなっていたのが、一定の実務経験年数を求める要件だ。国交省は、将来的な技術者不足の懸念に対応するため、年度末時点で19歳以上であれば受験できるよう、24年度から制度を変更。今回の受験者増には、制度見直しの効果を明確に表れている。
職種別に見ると、建築が56・4%増と最も大きく伸びた。次いで土木が55・5%、管が55・0%、電気が47・1%となり、いずれも約1・5倍の大幅増となった。
これに伴って合格者数も増加。7種目合計は6万2839人で、44・9%増だった。種目別では管が115・8%増と2倍以上に増えた他、造園が61・4%増となった。以下、土木が39・2%▽建築が36%増▽電気が33%増―。一方、電気通信は受験者が31・7%増えたのに対し、合格者は4・2%増だった。
一部の種目では若年層の合格者数が増えたことも明らかになった。土木は19〜24歳が占める割合が17・1を占め、前年度から10ポイント以上の大幅アップ。電気通信も19〜24歳の合格者数が過去最高となった。
ただ、今回の受験者の増加が、実務経験の不足していた若年層が制度改正で一挙に受験できたことによるのであれば、次年度以降の反動減も懸念される。安定的な技術者確保へ、ここが正念場と言えそうだ。
提供:建通新聞社