国土交通省は、公共事業でのCM方式の活用実態調査の結果を日本CM協会と建設コンサルタンツ協会の協力を得てまとめた。発注自治体を人口規模別に見ると、人口10万人未満の比較的小規模な自治体でも建築事業でのCM活用実績が増加傾向にあり、全体の約3割を占めていることが分かった。
CM方式は、発注者の補助者・代行者であるコンストラクション・マネジャー(CMR)が発注者の側の技術者として、設計や発注方式の検討、工程管理などを担う事業手法。両団体の加盟企業を対象に、2023年度末まで受注した実績件数(過去からの累計)をアンケート調査した。建築・土木を合わせて654件の実績となり、前回調査(21年度末時点)から134件増加した。
このうち建築事業は438件で、98件の増加。東京都や大阪府など都市部での実績が多く、関東と近畿で全体の約7割を占めた。用途は学校や病院、庁舎などが全体の約6割。建築職員数が10人以下の自治体でも活用実績が増えており、発注・執行能力を外部技術者で補っている可能性もある。
土木事業では36件増で216件の実績があった。地域別では福島県、宮城県での実績が突出して多く、東北地方で全体の8割を占めた。災害復旧事業が全体の約半数を占め、早期復旧を実現するために自治体のマンパワー不足を補完した格好だ。近年は新設・維持事業でも活用例が増えている。災害復旧事業でCM方式を活用した実績のある地域が、他の事業でもCM方式を活用する例が拡大している。
提供:建通新聞社