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2024/10/01

全国中小建設業協会 ブロック別意見交換会(2)近畿

 全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は9月25日、国土交通省とのブロック別意見交換会(近畿ブロック)を大阪市内で開いた。全中建は週休2日工事や施工時期の平準化の取り組みなどを議題に上挙げ、市町村や民間発注者らへの働きかけを要望。国交省は、改正品確法に盛り込まれた「公共工事の発注体制の強化」などを踏まえ、「市町村や民間発注工事への働きかけを強めていく」と応えた。
 全中建から土志田会長と朝日啓夫副会長ら、近畿ブロックから大阪府中小建設業協会の日野一基会長、全中建京都の勝本一登理事長、福井地区建設業会の山本厚会長ら、国交省などからは不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室の酒井大斗課長補佐をはじめ近畿地方整備局、大阪府の担当者が出席した。
 全中建の土志田会長は「安定経営には発注量の確保が大切。先を見通せる予算が確保されれば、企業として計画的に処遇を改善し、入職者の確保や設備投資によるDXやICTの導入が可能となり、生産性向上につながる」と強調。大中建の日野会長は「われわれの業界は人手不足の問題などから窮地に立たされている。この状態を打開し、より良く発展していきたい」と訴えた。
 意見交換会では、国交省の酒井課長補佐が講演し、ダンピング対策など賃上げに向けた取り組み、週休2日工事や施工時期の平準化など働き方改革の推進などについて説明。続いて週休2日工事の拡大や発注の平準化、建設キャリアアップシステム、書類の電子化などについて、各団体から出された市町村の取り組みに対する要望を取り上げて意見を交わした。
 このうち、週休2日工事については「労務費や現場管理費率をもっと上げてほしい」「適正な工期設定が必要だ」「民間工事でも進むように対策を」といった意見があり、国交省は「市町村の取り組みも徐々に改善しているが、受注する上での課題などがあれば聞かせてほしい」と回答。「改正品確法では、市町村への支援などが規定されており、国としてもこれまで以上に働きかけを強めたい」と述べた。
 この他、「強靱(きょうじん)化予算で事業が確保され、発注量が増えたとしても地方自治体の技術職員が足りず、対応できない状況にある。府や市町村の職員の処遇改善にも取り組むことで、発注体制が強化されれば、ゆくゆくは工事を受注する建設業者の処遇改善につながるのではないか」という意見もあった。国交省からは「『発注体制の強化』に取り組む中で、市町村の技術職員を受注者の皆さんにも協力してもらいながら一緒に育てていきたい」との話があった。
 また、現行の低入札価格調査基準の範囲が予定価格の75〜92%で設定されていることについて、「自治体によっては範囲以上だと落札できないところがある」という指摘に対し、国交省は「こうした運用をしている自治体があれば問題だ。勧告権限なども使用しながら指導していく」と述べた。
(地方建設専門紙の会/建通新聞社)